コンピュータ関連発明の機能的クレームに対する審査ガイドライン(3) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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コンピュータ関連発明の機能的クレームに対する審査ガイドライン(3)

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コンピュータ関連発明の機能的クレームに対する審査ガイドライン(第3回)

~米国特許法第112条審査ガイドライン公表される~

河野特許事務所 2011年4月25日 執筆者:弁理士  河野 英仁

(iii)Hayes事件[1]

 Hayes事件では、明細書中に、クレームされた発明で用いられるマイクロコンピュータの特定の種類と、クレームされた機能を実現するために必要なステップとが開示されていたことから、明細書の記載要件を満たすとされた。

 

 この開示では、明細書中に記載された必要なステップを実行するためにマイクロプロセッサをプログラムする方法が当業者に分かるように、十分詳細な記述がなされていた。CAFCは、Hayes事件における発明についてさらに重要な以下の2つの所見を示している。

 

 第1:クレームされた機能を実行するのに必要な特定のステップ、すなわちアルゴリズムが「明細書中に記載されて」いる場合、明細書の記載要件を満たす。

 第2:明細書の記載要件を満たすのにどの程度の詳細さが必要とされるかは、ケース・バイ・ケースである。

 

(iv)米国特許法第112条パラグラフ1に規定する記載要件の審査基準

 CS関連発明における機能的クレームを審査する際、審査官は、明細書中に、クレームされた機能を実行するコンピュータ及びアルゴリズム(例:必要なステップ及び/またはフローチャート)が、発明者がクレームされた主題を発明したと当業者が無理なく結論づけることのできるよう十分詳細に記載されているか否かを判断する。

 

 具体的には、明細書に記載された必要なステップを実行してクレームされた機能を達成するために、開示されたコンピュータをプログラムする方法が当業者に分かり、また発明者がその知識を持っていれば、明細書の記載要件を満たすこととなる。

 

 明細書中に、クレームされた機能を実行するために開示されたコンピュータをプログラムする方法を含む発明を発明者が所有しているということを、当業者に立証できる程度に十分にコンピュータ及びアルゴリズムに関する詳細な開示が提供されていなければ、米国特許法第112条パラグラフ1に基づいて、記載不備として拒絶理由を出さなければならない[2]


[1] In re Hayes Microcomputer Prods., Inc. 982 F.2d 1527, 1533–34 (Fed. Cir. 1992).

[2]明細書記載不備要件に関するさらなる情報は、MPEP§2161/01-2163.07(b)参照

(第4回へ続く)

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