最高裁は24日、賃貸住宅の借主から預かった敷金から、退去時に
修繕費を差し引きして返還する特約を有効とする判決を下した。
http://www.asahi.com/national/update/0324/TKY201103240370.html?ref=goo
25日11時現在では、最高裁HPで判決文がアップされていないため、
判決文そのものを確認しておりませんが、
gooニュース3月24日19時32分記事(朝日新聞社発)は、
「消費者の利益を不当に害する契約は無効」と定める消費者契約法が
2001年に施行された後、地高裁段階では特約を無効とする
借り手側勝訴の判断が相次いでいた。今回の判決は、特約そのものは
無効ではないと認めた最高裁の初判断で、同種訴訟に影響を与えそうだ。
通常の使用による修繕費まで借り手に負担させる敷引特約について、
「消費者の義務を重くするものだが、修繕の必要性や金額をめぐる
トラブルを防ぐ意味で不合理とは言えず、借り手の利益を一方的に
害するものではない」と指摘し、一般的な有効性を認めた。
ただし、借り手側は修繕費に詳しくないことや家主側と交渉力に
差があることを考慮し、「通常の修繕費、家賃額、礼金の有無などに
照らして、差し引く額が高すぎる場合は無効になる」と述べ、
額によっては違法となる余地は残した。
と、紹介している。
下級審で、消費者契約法に基づいて修繕費を差し引く特約を無効とする
判決が相次ぎ、最高裁の判断が注目されていたわけですが、
最高裁が、特約は無効ではないが、不相当に高額な場合は無効となる、
との判断を下したことで、実務への影響は最小限で済みそうだ。
消費者契約法は弱者である借り手を保護することに有効であろうが、
過度に保護することは、何でもクレームをつければ払わないで済むかも、
と考えがちで、不必要にクレーマーを増やすことにもなりかねない。
一連の訴訟を恐れて、遊休地に賃貸物件を建築することをためらってきた
オーナーが存在することもあり、この最高裁判決が、利便性の高い遊休地に
賃貸物件に転用するきっかけになって欲しいものです。
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