- 大山 裕之
- コンティニュウ 代表取締役
- 愛知県
- ビジネスコーチ
対象:コーチング
ケース1 「コーチングには時間がかかると思い込み、マネージャー自身が使うのをやめてしまう場合」の続き
また、部下との会話をすべてコーチングにしようとしているケースも多いようです。こんな話を聞きま
した。「大山さん、コーチングって本当に疲れますよね。私は、部下にしっかりコーチングを実行して
いますよ。一人一人、どんな細かな話もしっかり聞いてからコーチングしています。ですがそのせいで、
毎日コーチングに数時間かかります。一日中、すべての部下と話すだけでやっとです。大山さんはコー
チしていて疲れませんか?」
冗談のようですが事実です。研修で、すべての部下との会話をコーチ的にしないといけないと、学んだ
そうです。そんな誤ったコーチングの理解をしているマネージャーが意外に多いようです。このマネー
ジャーは、マネージャーとしての本来の仕事ができているのかと、こちらが不安に思ったくらいです。
私の研修では、マネージャーが現場で使いやすいコーチングを伝えています。マネージメントとは、
急ぎの案件は指示命令をし、時には教え、時には叱り、そしてここ一番の余裕のある時のみコーチング
を使う、これが大切です。そうでないと、忙しい中でマネージメントなんかできませんし、コーチング
だけでは部下育成は不可能です。マネージャーのスキルとしての一部にコーチングもある、と思ってく
ださい。本当に極々一部です。そして、余裕のある時に、部下の話をしっかり聴き、部下が内省を起こ
すようコーチングをすることで、十分に部下との信頼関係はできます。マネージャーにとってのコーチ
ングは、この使い分けがとても重要なのです。
色々なケースはありますが、私の経験値として、部下との普段の会話の中では、20%くらいコーチン
グを意識するだけで十分です。ただし継続すること、一貫性を持つ態度は必要です。面談時や、時間に
余裕がある時にしっかりコーチングし、あとは普段の短い会話の中で部下に気付きを与えること、考え
させることだけを意識する。これを続けることによって、部下にはあなたが「自分のことをきちんと見
てくれているのだ」と伝わり、信頼を深めていくのです。
以上のように、時間がないからコーチングができない、というのは、誤った思い込みです。まずは、少し
ずつでいいですから、出来る時間の範囲でコーチングを続けることが肝心なのです。
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