ところがそのような研修を受けた上司が、帰ってきたとたんに取って付けたように部下を褒めだし、その部下たちは研修を聞きかじっただけで態度が変わってしまう上司に、かえって失望してしまったという話を聞いたことがあります。口先だけの褒め言葉は見抜かれ、かえって逆効果だということでしょう。
褒めることの難しさは、受け止め方が人によって違うことです。本人が本当に評価されたと思える褒め方、要するに的確な内容とタイミングで褒めることが必要で、前提となる信頼関係が不足しているのに、テクニックだけで取って付けたように何でもかんでも褒めても、決して効果的ではないということです。
例えば、あなたが誰にも言わずに努力していることを他人が見つけて褒めてくれたら、うれしいでしょうし、認められた満足感もあるし、気づいてくれた人の眼力に信頼感も持つのではないでしょうか。まさにその後の“やる気”につながります。
常に何かあったら褒めようという意識を持つことは必要ですが、結局はテクニックでなく本心から褒めていると相手に伝わることが大事なのです。そのためには常に個人個人をきちんと見ていることが重要です。本当に些細な小さなことでも、相手の“何か”に気づいて褒めてあげると、人の感情には大きく響くものなのです。
とは言え、誉めることは本当に難しい・・・。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
03-4590-2921
「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム
「カリスマリーダー」は配慮が細かいという話(2024/01/31 23:01)
「うちは特別だから」という会社の話(2024/01/10 22:01)
メリットだけではない「離職率の低さ」(2023/12/06 23:12)
「いつでも機嫌が良い」というリーダー資質(2023/11/01 16:11)
「根気の続かない人」と「融通が利かない人」(2023/10/19 13:10)