日経記事;『戦う土俵,M&Aで変える企業 強さの条件』に関する考察 - M&A - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:事業再生と承継・M&A

村田 英幸
村田 英幸
(弁護士)
村田 英幸
(弁護士)

閲覧数順 2016年12月02日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『戦う土俵,M&Aで変える企業 強さの条件』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 事業再生と承継・M&A
  3. M&A
経営戦略 M&Aの事例と経営上の課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月6日付の日経新聞に、『戦う土俵、M&Aで変える(企業 強さの条件)第9部 もっと投資を(1) 資源高の風圧 』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『原油、鉄鉱石・石炭、食料――。新興国需要の急増に中東情勢の緊迫が加わり、資源価格の高騰が止まらない。日本企業の成長持続に何が必要なのか。「競争の土俵を変える」。ブリヂストン社長、荒川詔四の戦略は明快だ。

東京都小平市にあるブリヂストン東京工場。作業員が手際よく使用済みタイヤの表面を削り、新しいゴムを貼る。大きな釜で4時間、温度と圧力を加えると新品同様の再生タイヤに生まれ変わる。原料の使用量が3分の1で済み、価格は新品より3~4割安い。

製品の寿命を延ばすサービスでアジア勢の低価格攻勢に対抗する。
新しい稼ぎ方を可能にしたのは2007年の再生タイヤ米最大手バンダグの買収だ。1200億円を投じて最先端技術を手に入れ、世界に拠点を広げる。顧客を囲い込み、新品の販売も増やす。同社は08年に仏ミシュランを抜き、世界首位を走る。

「合併や提携などあらゆる選択肢を考える」と公言する荒川のもとに、内外の企業や投資銀行が次々とM&A(合併・買収)案件を持ち込む。
首位に立った今も「競争環境の厳しさに非常に危機感を持っている」と荒川。資源高・デフレの風圧下でも収益を生む仕組みづくりで先行を狙う。

成長実現へ規模の重要性は揺るがない。キリンホールディングスは06年から10年までに約1兆円を買収に充てた。食料高の中、常務の古元良治は「規模が調達を有利にする」と話す。
塩化ビニール樹脂で世界首位の信越化学工業は1000億円で米国に塩ビ原料の新工場を建設中。原料の自社生産比率は3割から6割強に高まる。会長の金川千尋は「価格競争力でライバル企業に絶対に負けない」と言い切る。

上場企業が10年10~12月期に設備投資や買収などに使った純投資額は営業で稼いだ資金を8四半期ぶりに上回った。
海外勢も攻めの手を緩めない。米国では大統領のオバマが法人税率下げなど政策総動員で企業の投資を引き出す方針を表明。
株式時価総額で躍進する新興国企業はM&Aで優位に立つ。金融危機での後退を取り戻そうと、世界の企業が投資を競う。

企業に問われるのは、規模を追求しながら独自の収益モデルを築く力だ。「世界標準を作り出せる」。
ダイキン工業会長の井上礼之はトップ企業の威力を指摘する。
11年3月期には売上高で空調世界首位の米キヤリアを抜く見通し。3000億円超の金額で交渉中の米グッドマン・グローバル買収に成功すれば首位の座は盤石になる。

世界最大のエネルギー消費国となった中国。ダイキンは08年に最大手の珠海格力電器(広東省)と提携した。井上は社内の反対を押し切り、門外不出だった省エネ技術の提供を決断
。格力の低コスト生産、部品調達力と組み合わせ、約4万円の低価格エアコンで事実上の中国標準を握った。この強みを世界に広げる土台はすでにできている。

「技術、品質を含めた総合力で世界トップになりたい」。2月初め、住友金属工業との合併合意会見で新日本製鉄社長の宗岡正二はこう説明した。
10年の粗鋼生産量合計で世界シェア3%強の2位とはいえ、欧州アルセロール・ミタルとの差は大きく、背後には中韓勢も迫る。資源大手の価格交渉力は圧倒的で、この程度の規模だけでは成長は約束されない。

「競争の土俵」をどこに探すか。住金社長の友野宏は「(世界最高の技術を持ち寄れば)追いかけてくる人より速く走れる」と強調。
技術と品質を収益源と位置付け、その進化の速度を上げるために合併する。ここにこそ国内シェア狙いの過去の鉄鋼再編との違いがあり、連鎖が業種を超えて広がる。。。』


この記事は大手企業が勝ち残るためにどのうようにして差異化を作っていくか、規模の拡大と差異化技術を獲得するためにM&A(企業合併)を積極的に行う姿勢について書いています。

大手企業が世界のグローバル企業と戦って勝ち残ってい行くためには、一定の規模は必要です。
例えば、新規投資の源泉を持つ必要がありますし、資源を可能な限り安く調達するには購買量の裏付けがあって交渉の土俵に乗れます。

但し規模の拡大を優先していくと、不効率さや戦略の優先順位の不明確さなどの問題に直面します。
かって欧米の自動車産業は、規模の拡大を目指し、M&A(合併)を行いました。
その結果、多くの合併企業が経営に失敗しました。
代表例は、1998年ドイツのダイムラー・ベンツとアメリカのクライスラーの合併によりダイムラー・クライスラーが誕生しまししたが、2007年8月ダイムラー・クライスラーはクライスラー部門を米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメントに売却、2007年10月ダイムラーに社名を戻しました。

ドイツとアメリカの企業文化の違いなど多くの原因が考えられますが、最大要因は合併の相乗効果を見いだせなかったことです。
規模だけ拡大しても、車種の見直しや商品力の強化、不採算事業の見直しや再投資、間接部門の合理化など合併後に行う必要があった施策を効果的に行えなかったため、9年後に破談しました。

国内大手企業は、M&A(合併)を行って規模の拡大のみを優先して指向すると、足元をすくわれる危険があります。
合併後の経営強化策を明確に書いた青写真を持って、計画・実行することが重要です。
単なるシナジーがある、お互いの長所を生かすなどの曖昧な目的やスローガンでは、合併は決して成功しません。組織を融合しながら、経営課題の優先順位を明確にして、規模を拡大しながら合理的な事業を出来るようにすることが肝要です。

グローバル企業の経営速度は速いので、その速さ以上での巧みな経営手法が重要さを増します。


中小企業の場合、大手企業とは異なった視点で競争力強化を図る必要があります。
自社の得意技術・開発力が生かせて、大手・中堅が参入しない市場で差異化を確立し、収益を確保します。
市場規模は小さい方が良く、そこで独占的な立場を確保すれば良いのです。

小規模なM&Aもあるでしょうが、自社の経営資源で不足する機能は、アライアンス;連携でカバーしていく方が早く、実用的です。しかも連携の方が失敗するリスクは相対的に小さくなります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;三洋白物パナソニック売却 中国ハイアールに関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/07/28 08:00)

日経記事;"日本電産,米モーター2社買収 400億円で"に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/09/20 11:00)

日経記事;"日曜に考える 日本の電機、復活できる?"に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/07/08 09:40)

日経記事;ソニー痛み伴う改革新体制,不採算事業撤退に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/02/03 09:02)

日経記事;ソニー,オリンパスに出資提案最大2~3割 に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/01/24 08:37)