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日経記事;合併審査,7月に新制度公取委,事前相談廃止に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月5日付の日経新聞に、『合併審査,7月にも新制度 公取委,事前相談廃止 透明性向上、審査期間を短く』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『公正取引委員会は4日、企業の合併などを前もって相談する「事前相談制度」の廃止を柱とする合併審査改革案を正式に公表した。7月の新制度移行を目指す。法律に基づかない同制度をやめ、届け出後の法定審査に一本化。透明性を向上させたり実質的な審査期間を短くしたりして、国際競争力強化に向けた企業再編を促す。

公取委は同日、新しい制度に対するパブリックコメント(国民からの意見)の募集を開始した。1カ月間の募集期間に集まった意見を踏まえて、最終案をまとめる。
公取委の小林渉企業結合課長は一連の改革案について「今まで産業再編を躊躇(ちゅうちょ)していた企業を前に進める効果がある」と説明した。

新制度では合併審査の手続きを法定審査に一本化して、手続きの透明性を向上する。大型案件では現在、法律で定めていない事前相談が事実上の審査の場となっている。
ここでは追加資料の提出を何度も求められるなど、審査が長期化する一因となっていた。

これに対し、法定審査は書類がそろっていれば直ちに審査に入る。このため企業は審査期間を見通しやすくなる。

企業結合規制こう変わる
▽審査手続き
・事前相談制度を廃止
・公取が論点など説明
・審査結果を通知・説明

▽審査基準
・ユーザーが世界各地から調達先を選んでいればシェアを世界市場で判断
・輸入実績なくても海外品からの競争圧力を考慮
・類似の競合品市場を競争圧力として考慮
・継続的な赤字事業であれば寡占状態が高くても容認

公取委の判断理由などを説明・公表する仕組みも整える。公取委は今後、届け出会社から要求があれば審査の論点などを説明しなければならない。審査終了後は、結果を理由付きで通知・公表する。

その上で、世界市場を考慮することなどを定めた判断基準の指針をよりはっきり示す内容に改める。具体的には、国内外で価格差がなくユーザーが世界各地で調達している場合には、寡占かどうかを判断する対象の市場は国内ではなく世界とする。
実際に輸入されていなくても輸入の影響を受ける可能性があれば、それも考慮するなど、曖昧だった点を明確にした。

グローバル市場に配慮した形で合併審査を見直す政府方針の決定を受け、公取委は制度改革の検討を進めてきた。ただ公取委の裁量の余地はなお大きく、期待通りの効果があるかは未知数だ。

公取委の審査手続き・基準の適正化を求めてきた日本経団連は今回の見直し案について、「海外市場シェアへの考慮など踏み込みが足りない部分もある」(幹部)としつつ、「経済界の言い分は大体反映された。従来の公取委の姿勢からは前進だ」としている。』


今回の公取委の改革案を大いに支持し、早期実行を期待します。

現在明らかなことは、世界市場で事業を行っているグローバル企業は、決断と実行のプロセスを速いスピードで繰り返しながら展開しています。

国内企業はそのグローバル企業と国内市場及び海外市場で戦い、勝ち残る必要があります。
グローバル企業は国内市場への進出を加速化しており、国内市場は世界市場の一部に組み入れられつつあります。

国内企業がグローバル企業と戦う手段の一つがM&Aです。
新規事業立上や、新規事業分野への参入及び既存事業の強化を行うには、M&Aが適切な手段の一つです。
グローバル企業は、規模の大小に関係なく、上記目的を達成するためにM&Aを経営手法の一部として活用することが日常的になっています。

国内企業も必要があり実施可能であれば、M&A手法を活用し、即時に実施できる仕組みが必要でした。
現在の仕組みの問題点の一つが、M&A(企業合併)審査に時間がかかることです。
事前相談と言う日本的な独特の制度が、事実上の「事前審査」の役割を担い、何となくあいまいだが行政の強い意思のもとに実行されています。少なくとも、自分の経験ではそう感じました。

かっての事業が国内市場を中心に行っていた場合では、国内市場や競合他社への影響を十分に考慮・検討した上で結論を出していれば良かったですが、今の事業環境は大きく異なります。

この観点から、今回公取委が出した改革案は、ほぼ時代のニーズに合っており大いに賛成します。
明確かつ合理的な判断基準でM&A(企業合併)案件を迅速に処理してもらえれば、企業の事業活動強化に大いに貢献します。

また、今回の改革案では審査結果を理由付きで通知・公表することも含まれています。
公取委は上記「審査基準」をもとに各項目について、どのような理由で判断したか公開すると言っています。

ただ記事には、公取委の裁量の余地はなお大きく、期待通りの効果があるかは未知数だ。」と記載されており、この点は気になります。

公取委に期待したいのは、案件の判断結果とその理由をWebサイト上に公開して我々の前に明示化することです。
当然、その判断には賛成もあれば反対する人たちもいます。

Webサイト上で公開されれば、当該情報や意見が積み重なりある種の国民的なコンセンサスも出来て来ると考えます。
政府と国民の間での議論も始まる可能性があります。

政府・行政は見えるかを行いながら、ネット時代に適応した合理的かつ迅速に実行する姿勢が大事です。

日本企業が世界市場で勝ち残るためになすべきことは、まだ多数あります。
今回の公取委のような政府・行政の強力なバックアップが今後とも継続的に必要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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