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武富士最高裁判決逆転勝訴!須藤補足意見に注目!

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発表 実務に役立つ判例紹介

注目されていた武富士事件最高裁判決が、2月18日に下された。

高裁の事実認定を破棄自判し、納税者逆転勝訴!

 

「上告人は、本件贈与を受けた当時、本件会社の香港駐在員及び本件各現地

法人の役員として香港に赴任しつつ国内にも相応の日数滞在していたところ、

本件贈与を受けたのは上記赴任期間の開始から約2年半後のことであり、

香港に出国するに当たり住民登録につき香港への転出の届出をするなど

した上、通算約3年半にわたる赴任期間である本件期間中、その約3分の2

の日数を2年単位で賃借した本件香港居宅に滞在して過ごし、その間に現地

において本件会社又は本件各現地法人の業務として関係者との面談等の業務

に従事しており、これが贈与税回避の目的で仮装された実体のないものとは

うかがわれないのに対して、国内においては、本件期間中の約4分の1の

日数を本件杉並居宅に滞在して過ごし、その間に本件会社の業務に従事して

いたにとどまるというのであるから、本件贈与を受けた時において、本件

香港居宅は生活の本拠たる実体を有していたものというべきであり、本件

杉並居宅が生活の本拠たる実体を有していたということはできない。」

「本件期間中、国内では家族の居住する本件杉並居宅で起居していたことは、

帰国時の滞在先として自然な選択であるし、上告人の本件会社内における

地位ないし立場の重要性は、約2.5倍存する香港と国内との滞在日数の

格差を覆して生活の本拠たる実体が国内にあることを認めるに足りる根拠と

なるとはいえず、香港に家財等を移動していない点は、費用や手続の煩雑さ

に照らせば別段不合理なことではなく、香港では部屋の清掃やシーツの交換

などのサービスが受けられるアパートメントに滞在していた点も、昨今の

単身で海外赴任する際の通例や上告人の地位、報酬、財産等に照らせば

当然の自然な選択であって、およそ長期の滞在を予定していなかったなど

とはいえないものである。」

 

武富士事件最高裁判決の価値は、須藤裁判長による次のような補足意見に

あると言ってもいいでしょう。

「一般的な法感情の観点から結論だけみる限りでは、違和感も生じない

ではない。しかし、そうであるからといって、個別否認規定がないにも

かかわらず、この租税回避スキームを否認することには、やはり大きな困難を

覚えざるを得ない。」「納税は国民に義務を課するものであるところからして、

この租税法律主義の下で課税要件は明確なものでなければならず、これを

規定する条文は厳格な解釈が要求されるのである。明確な根拠が認められない

のに、安易に拡張解釈、類推解釈、権利濫用法理の適用などの特別の法解釈や

特別の事実認定を行って、租税回避の否認をして課税することは許されない

というべきである。そして、厳格な法条の解釈が求められる以上、解釈論には

おのずから限界があり、法解釈によっては不当な結論が不可避であるならば、

立法によって解決を図るのが筋であって、裁判所としては、立法の域にまで

踏み込むことはできない。後年の新たな立法を遡及して適用して不利な義務を

課すことも許されない。結局、租税法律主義という憲法上の要請の下、

法廷意見の結論は、一般的な法感情の観点からは少なからざる違和感も

生じないではないけれども、やむを得ないところである。」

 

須藤補足意見は、基本に忠実で、かつ、法治国家の趣旨を踏まえた

素晴らしい意見だと、租税法の研究者の端くれとして、大いに評価したい。

 

何よりも、租税法律主義を前提にすれば、行為を実行する時の法律になければ、

不利益処分を課することを許さない、という姿勢が評価されよう。

結局のところ、法治国家である以上、法改正を行えない者を我々の代表者

として送り出してしまった、我々国民がバカを見ることになるんですね。

法は「正義の味方」ではなく「法を知る者の味方」になってしまうのですから。

 

かといって、悪法を見過ごすことは、許されることではない。

気付いた者が、声を大にして改正要求をしなければ、何も変わらない。

ズルができないルールにしなければいけないんですね。

 

法のルールとしての価値は「予測可能性」に尽きると思います。

法があるから、行おうとする行為の結果が予想できるのです。

予測可能性が図れないなら「法治国家」ではなく「人治国家」ですね。

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