日経記事:『日本企業の対アジアM&A、8割増』 に関する考察 - M&A - 専門家プロファイル

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日経記事:『日本企業の対アジアM&A、8割増』 に関する考察

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M&Aコンサルタントとしての活動 M&Aの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月23日付の日経新聞に、『日本企業の対アジアM&A、8割増 2010年件数ベースで』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。

『日本企業とアジア企業の間のM&A(合併・買収)が拡大している。日本企業がアジア企業に対して実施したM&Aは2010年に前年比83%増の274件に達し、過去最高を記録した。

金額ベースでは3%増の約8900億円となった。アジア企業が日本企業に対して実施したM&Aも伸びており、技術の取得や販路の拡大を狙った結びつきが強まっている。

米調査会社のトムソン・ロイターによると、日本企業が10年に海外企業に対して実施したM&Aも伸びており、技術の取得や販路の拡大を狙った結びつきが強まっている。

米調査会社のトムソン・ロイターによると、日本企業が10年に海外企業に対して実施したM&A件数のうち、アジア企業が占める割合は525となった。
03年以来、7年ぶりの高水準を記録した。

日本企業がアジア企業に対して実施したM&Aは、11年に入ってからも32件が明らかになった。全体に占める割合も52%を維持している。

日本企業にとって高成長が続くアジア市場の魅力は大きい。アジア企業を対象としたM&Aのすそ野は、日本の大企業だけでなく中堅企業などにも広がりつつある。

例えば日本の内需型産業は少子高齢化で縮小する国内市場を飛び出し、個人消費が拡大するアジア市場での展開を急ぐ。
キリンはシンガポール飲料大手に、日本製紙グループ本社は中国の段ボール原紙大手にそれぞれ出資。レンゴーはベトナムの段ボール関連企業3社の買収に乗り出し、東洋ゴム工業はマレーシアのタイヤメーカーを買収した。

高成長で資金力が増したアジア企業が日本企業に対してM&Aを実施するケースも増えている。10年の件数は前年に比べて24%増え、過去最高の73件に上った。金額ベースでは87%増の1179億円となった。

マレーシア企業が北海道ニセコ町のリゾート施設を買収するなど、東南アジア系の企業やファンドが不動産を取得するケースが目立った。11年に入ってからも、中国企業がパナソニックの自動車用ニッケル水素電池事業を買収するといった動きがみられる。

M&Aを通じて日本企業の技術力やブランド力などを獲得し、成長につなげようというアジア企業は多い。アジア通貨がさらに上昇すれば、M&Aの余力が増すとの見方も出ている。』


M&Aは、買う方にとっては新規事業を立ち上げたり、新事業分野を獲得するなどの行為を短期間に出来る有効な方法です。
売る方にとっては、売却金を事業撤退や他事業立上・強化などの資金源として活用できます。

両社のマッチングが取れれば、双方がハッピーになる「Win/Win」の事業モデルとなります。

買う方からの立場で考えますと、一番のリスクは買収した後の既存部隊との組織的・事業的融合が上手く行くかどうかです。
日本電産のようにM&Aをやり慣れて組織融合・拡大を行ってきた企業は、上記のようなリスクは少ないと考えます。

初めて企業買収や事業買収を行う企業に、買収後のリスクが発生する可能性があります。
企業文化の違い、組織運営体制や方法、或いは賃金体系や人事評価方法などが異なり、融合の対象となった組織に所属するスタッフのストレスは、通常相当高くなります。

企業買収を行う企業は、そのようなストレスを最小化して、組織融合などを上手く進める方法を事前に考えておく必要があります。

融合を上手くするやり方は色々あります。
例えば、一つの方法は、買った方が統合した社員を既存社員と同様に扱って、人事評価や昇進、賃金設定などの仕組みを透明度を持ってルール化し実行することです。

他企業がM&Aを行って新規事業立上などを成功したことを見て、単純にわが社でも出来ると思って企業買収して失敗した中小企業の事例が見受けられます。
この失敗は、買収後の融合のやり方を十分に準備しないで行った原因が主要因の一つとなっています。

多くのM&A仲介会社は、買収行為やプロセスを支援してくれますが、買収後の組織運営は自社リスクに行うことになります。
絶対にやって行けないのは、上記記事を見て十分な事前準備なしに企業買収を行うことです。

M&Aの相談を受けた中小企業の社長さんによく言いますのは、「通常の事業連携・アライアンスを行ったことがない企業は、M&Aをやっても上手く行かないケースが多いので、事前準備を行ってから行いましょう。」とアドバイスするようにしています。

単純にはやりの経営手法に飛びつくのは得策ではありません。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

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