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中村 嘉宏
中村 嘉宏
(宅地建物取引主任者)
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閲覧数順 2016年12月03日更新

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日本が人口減少フェーズに突入したという事実は、各種メディアの報道

によってみなさん十分にご理解されていると思います。

しかし、日本が人口減少社会となったのは何も今回が初めてというわけ

ではありません。実は日本では、過去4回人口減少時代に突入した歴史

があり、今回は5回目の人口減少の時代ということになっています。

直近の人口減少時期は江戸時代中期でした。ご注目していただきたい

ポイントしては戦争や飢饉などという事象とまったく関係のない理由で

人口減少が発生してきたという事実です。

江戸幕府の統治により、戦争のない時代がつづいていた1700年代の

ことです。1732年に日本の人口は3230万人のピークを迎えます。

その後1830年ごろまで約100年間、人口が約3000万人になるまで

一貫して人口が減少していったのです。主な理由としては生産技術の

限界により日本社会全体の人口許容容量が限界を迎えたためと考え

られています。庶民は経済発展が期待出来ない環境のなか、生活レベ

ルを維持するために晩婚化、少子化を選択し、高齢化社会、大都市志

向、個人主義志向が広がっていきました。家計は収入を確保するために

妻が仕事をもち、少子化が進みます。また江戸は当時ロンドンやパリが

40~50万人規模の都市であった時代に、実に100万人の人口規模を

ほこり、世界最大の巨大都市でしたが、同時に独身者が圧倒的に多い

単身世帯中心の都市でもありました。こうした歴史的事実は非常に今の

日本の状況との類似性が指摘でき大変興味深い事実です。

幸い明治維新を契機に、文化的に生産性が高まる機会が生まれたため

その後日本の人口はまた増加することになります。

人間は文化的生理的に、個体数を環境にあわせて抑制する機能を有

しているというのが人口学での共通認識となっています。さて、現在の

日本の人口許容容量が限界を迎えたとすると、文化環境的な変化が

なければ、しばらくは人口減少がつづくことは避けられない事実といえ

ます。ただし、それによって生活水準が低下していくかというと必ずしも

そうとはいえません。13世紀の中国や14世紀のイギリスではそれぞれ

5割以上の人口減少の時代に突入しましたが、同時期に約二倍の実質

所得を実現していたという歴史的事実もあります。人口減少は、過去何度

か繰り返されてきたただの環境変化にすぎません。

人口減少を逆手にとると人口減少環境ではより個人主義志向、大都市志

向の傾向が強くなることも予測されており、大都市東京のマーケットにおけ

る多様化されたニーズが、ひきつづき期待できるということも事実としてい

えるのです。

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