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日経記事;新興国に汎用技術輸出 国内は先端分野集中に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月12日の日経新聞に、『IHIや三菱化学、新興国に汎用技術輸出 国内は先端分野集中』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事について考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『大手企業が新興国に生産技術を輸出する。IHIは造船事業進出を目指す企業に技術を丸ごと提供。三菱化学は汎用製品を中心に生産ノウハウを供与する。産業育成を進める新興国では、日本で活用しにくくなった汎用技術でもニーズが高いことから収益化する。国内では最先端技術を使う付加価値の高い分野に集中して競争力を高める。

従来の技術輸出は生産委託先や部品調達先への供与が主体だが、各社が新たに進めるのは生産ノウハウをまるごと商品として販売する手法で、投資リスクを抑えながら拡大する新興国市場の取り込みを狙う。

総務省によると2009年度に日本企業が特許などの技術を輸出して得た収入は2兆円余り。技術の輸入に伴う支出を引いた収支は約1兆4800億円の黒字だった。ただ、収入、支出とも2年連続で前年割れ。

政府は技術輸出を後押しする構えで昨年5月、20年度に収入を3兆円に引き上げる目標を掲げている。

IHIは5万トン級の貨物船の設計図や専用エンジン、クレーンなどのノウハウと関連製品をまとめて販売する。設備が不十分な海外の造船所や造船参入を目指す新興国企業を顧客に想定。
インド企業と技術指導員の派遣も含め交渉に入り、ブラジルでも営業を始める。設計図と機器の価格は15億円が目安という。

造船業界では韓国・中国勢が台頭、汎用化した船の建造では価格競争に勝てない。IHIは省エネ船やLNG(液化天然ガス)船など先端技術を使う船の受注獲得に注力し、汎用技術を広く販売する戦略に転換する。

三菱化学は知的財産を活用する部門を新設。石油化学製品の生産技術やノウハウを一元管理して中国などの化学メーカーに供与する。
合繊繊維の原料の生産技術、合成樹脂の触媒の活用法などを対象に複数企業と交渉に着手した。供与後の技術サポートも手がける。
豊富に持つ汎用技術の技術供与は利益率の高い安定収入が見込め、自社投資に比べリスクも抑えられる。自社で製造中の製品でも、販売先ではない国の企業であれば供与の対象とする。15年度に年間50億円以上の収入を生む事業に育てる。

宇部興産はガス化した石炭からポリエステル樹脂の原料を生産する独自技術を中国メーカーに供与する。
第一弾として中国石炭2位の河南にある企業が宇部の技術を使い、12年末にも年産30万トンの生産設備を建設。総投資額は石炭のガス化設備も含め500億円の見通しだ。

宇部は化学品の有力商社ハイケムと中国で新たな供与先も開拓し、今後2~3年度で約50億円のライセンス収入を目指す。』


本記事は、汎用技術をまるごと販売する事業展開について書いています。
従来より技術のライセンス供与(使用許諾)は行われてきました。
一時期はそれをやり過ぎて、相手企業が必要以上の力をつけて、日本に逆輸出を行うブーメラン現象も見られました。

今回の動きは、汎用技術(1~2世代前の技術と仮定します)を、単に技術供与ではなく、生産などの設備と運用ノウハウなど、一式で供与することであり、ある意味、画期的な事業展開の方法であると言えます。

造船で考えますと、記事にあります通り、国内企業の汎用船に対する競争力はなく、韓国・中国勢に勝てません。
しかし、新興国に汎用船自体を作る造船所一式の建設・運用ノウハウを提供すれば、相手国からは感謝されると共に、技術支援契約を結べば技術委託料も安定して確保可能になります。

これは、既に開発し・使い切った技術の再利用と言う観点から有効な事業方式です。
大企業だけでなく、先端技術を持つ中小企業にとっても、1~2世代前の汎用技術をまるごと供与するやり方は可能な方法です。

一回の供与だけでなく、技術指導契約締結を条件の一つとして安定した収入を確保することも重要です。

この事業方法で気をつけることは、1~2世代前の技術の中に最先端に近い技術やノウハウが含まれていることがありますので、そのような技術は特許化する、或いは、外部に出さない、ブラックボックスかするなどの仕組みを取入れて慎重に扱う必要があります。
ブーメラン現象の再現を防ぐことが大事です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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