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日経記事;『新日鉄/住金合併へ 粗鋼生産世界2位』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月4日付の日経新聞に、『新日鉄・住金合併へ 12年10月めど 粗鋼生産世界2位 巨大海外勢に対抗』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『鉄鋼国内最大手の新日本製鉄と3位の住友金属工業は3日、合併に向けた検討を始めたと発表した。公正取引委員会など国内外の独禁当局の審査を経て、2012年10月1日付の合併を目指す。10年の両社の粗鋼生産量を合計すると約4800万トンになり、合併で欧州アルセロール・ミタルに次ぐ世界2位に浮上する見込み。原料価格の高騰に加え中国など海外勢の攻勢が激しさを増すなか、規模の拡大で経営基盤を強化し、世界市場で勝ち残りを狙う。

国内鉄鋼業界の大型再編は02年に川崎製鉄とNKKの統合でJFEホールディングスが発足して以来10年ぶり。新日鉄と住金の連結売上高(11年3月期見通し)を合計すると5兆6000億円。JFEの1.7倍と規模で2位以下を引き離す。

新日鉄と住金は合併で「事業持ち株会社」を設立、本体で鉄鋼事業を手掛け、関連事業を傘下に置く。両社社長を共同委員長とする「統合検討委員会」を近く設置、合併比率や新会社の名称、経営体制などの詰めを急ぐ。独禁当局の認可を得られれば、12年4月をめどに合併契約を結び、同年6月の両社の定時株主総会に諮る方向だ。

3日都内で記者会見した新日鉄の宗岡正二社長は「グローバル市場で挑戦するには(規模の拡大が)大変有効と思う」と合併の狙いを説明した。国内需要の縮小で鉄鋼大手は輸出依存を強めているが、円高で採算が悪化。数千億円規模の投資が必要な製鉄所の建設を新興国で進めるため合併で資金力を高める。

住金の友野宏社長は「コスト低減は大きなテーマになる」と強調。鉄鉱石や原料用石炭はここ数年で価格が2~3倍になり、資源大手から値上げをのまされてきた。調達規模を引き上げ価格交渉力を高める狙いも大きい。重複設備の統廃合も進める。

両社は02年に相互出資を軸にした提携で合意。その後もステンレス事業の統合など関係を強化してきた。現在、新日鉄は住金株の9.4%、住金は新日鉄株の4.2%を保有し、ともに第2位の大株主となっている。

両社合わせた粗鋼生産量の国内シェアは約4割となり、合併実現には公取委の判断が焦点となる。公取委の審査について宗岡社長は「これからお願いにあがる」と述べた。そのうえで「両社は得意分野が重なっていない」と指摘。世界シェアが3%強にとどまることもあり、認可取得に期待を表明した。新日鉄の三村明夫会長と住金の下妻博会長は3日夕、枝野幸男官房長官と面会し、政府の協力を要請した。

世界の鉄鋼業界では07年に合併により新日鉄の約3倍の規模を持つ欧州アルセロール・ミタルが誕生し、中国勢も相次ぐ再編で規模を拡大。グローバル成長を目的とした大型再編は鉄鋼に限らず様々な業種の日本企業に広がる可能性がある。』


今回の新日鉄と住金の合併は、下記背景・目的があると考えています。

1.グローバルな大手鉄鋼メーカーは、規模の拡大で経営効率の向上、シェアの拡大、原料価格に対する交渉優位性の確保、或いは原料自体の確保などを積極的に行っている。

2.新日鉄と住金は共に固有の製品分野で強みを持っているが、競合企業が1項の動きをかけていく中で合併により規模の拡大による存在感・発言力の向上と、経営効率の向上を目指した。

特に、アルセロール・ミタルは世界ナンバー1の粗鋼生産量を持つだけでなく、グローバルな事業展開を行っており、当該企業と互角以上に戦っていくためには、世界市場で効率的な経営を行う必要性に迫られたと見ています。

今回の合併は、今までの両社のアライアンス;提携関係に積み上げをベースに生まれました。
記事によると、「両社は02年に相互出資を軸にした提携で合意。その後もステンレス事業の統合など関係を強化してきた。現在、新日鉄は住金株の9.4%、住金は新日鉄株の4.2%を保有し、ともに第2位の大株主となっている。」とあります。

この合併は、両社の経営資源の統合と、得意領域の融合およびシナジー効果によって、一層のグローバル化を推し進めるのが狙いです。
大幅な経営コストの圧縮による競争力の向上と、世界的な営業拠点の拡大によるグローバル市場への対応などが可能になります。
特に、新興国需要の取り込みと、エネルギや環境などの新規分野開拓などが重要な経営課題になると考えます。

規模を拡大し、他社を圧倒する製品力で世界企業との戦いに勝ち残る戦略は正しいと考えます。
この合併は上手く行くと予想しています。理由は以下の通りです。

(1)両社の製品ラインナップは異なり重なる部分が少ない。両社の技術や製造基盤、得意とする商品などの相互補完が可能になる。
(2)(1)により、世界市場で多くの顧客に対応できる。
(3)技術や研究開発の融合で技術先進性を高められる。
(4)既にアライアンスを組み、共に第2位の大株主として経営に参画してきており、経営気質をお互いに理解している。
(5)合併の目的は、勝者連合になることであり、世界市場で他社に勝つという明確な目標を持っている。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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