日経記事;エルピーダ,台湾大手力晶からDRAM事業取得に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;エルピーダ,台湾大手力晶からDRAM事業取得に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. アライアンス・事業提携
経営コンサルタントの活動 アライアンス(連携・提携)支援

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月31日付の日経新聞に、『エルピーダ、台湾大手「力晶」からDRAM事業取得 主力工場含め交渉』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『パソコンなどに使われる代表的な半導体メモリーであるDRAMXで世界3位のエルピーダメモリは台湾の大手メーカー、力晶半導体の同事業を取得する。力晶は自社製品の生産から撤退、エルピーダ向け生産に特化。最終的にエルピーダが力晶の最先端の主力工場を取得する方向で交渉している。世界のDRAMメーカーは最大手のサムスン電子など韓国勢と、エルピーダを軸とする日台連合に集約される再編の構図がはっきりしてきた。

エルピーダは2003年から力晶にDRAMを生産委託してきたほか、合弁で生産会社を設立するなど連携してきた。昨年夏以降、DRAM価格の低迷により、両社とも業績が悪化。抜本的な収益立て直し策について協議してきた。

当初は両社の経営統合を模索する動きもあったが、交渉の結果、エルピーダが2段階でDRAM部門を吸収する。まず力晶は自社製品の生産をとりやめ、全量をエルピーダ仕様の製品に切り替える。エルピーダは力晶から供給を受けるDRAMを、自社製品としてパソコンメーカーなどに販売する。生産委託量は現在の月間4万枚(シリコンウエハーベース)から8万枚に倍増する見込み。

さらにエルピーダは最先端品を生産する力晶の主力工場の取得に向け協議をしているとみられ、年度内に結論を出したい考え。買収資金を投じない代わりに、力晶の負債の一部を引き受ける案を軸に交渉している。

力晶は投資負担が重い最先端のDRAM開発を自力で続けるのは困難と判断。エルピーダにDRAM事業を実質的に譲渡し、画像センサーや液晶駆動用の半導体などのファウンドリー(受託生産会社)への転身に弾みをつける。工場譲渡に伴って負債を削減、財務も改善する。DRAMは主力事業から受託生産の一部に位置づけが変わる。

DRAMは力晶をはじめ台湾メーカーの増産により市況が乱高下、半導体の中でも採算確保が難しい。エルピーダは力晶以外の台湾メーカーに対し、技術供与や生産委託を通じ運営の一体化を進めており、力晶のDRAM部門の事実上の取得により、価格を安定させる効果も狙う。

米アイサプライによるとDRAMの世界シェア(09年、出荷額ベース)は、エルピーダが17.4%。力晶の2.1%を合わせると19.5%となり、2位の韓国ハイニックス半導体(21.6%)に迫る。

世界のDRAM市場は10年で約4兆円で、パソコン向けが8~9割を占める。昨夏からパソコン市場の伸びが鈍化し、主力品のDRAM価格は採算ラインとされる1個あたり1ドルを割り込み、DRAM各社の業績は急速に悪化している。

エルピーダは10年10~12月期に200億円超の営業赤字になったもよう。11年度中にも国内唯一の生産拠点である広島工場(広島県東広島市)を付加価値の高い携帯情報端末向けDRAMの専用工場に転換する。パソコン向けDRAMは、台湾メーカーへの生産委託に切り替える。規模を拡大しコストを引き下げる。。。』


上記提携は、最近電子部品・機器業界で活発に行われている集中と選択の一つの動きです。

エルピーダは、国内で残った唯一のDRAM専門メーカーです。
今までパソコン向けDRAMを集中的に供給してきましたが、DRAMの市場価格は韓国や台湾メーカーの増産/減産で乱降下してきました。

厳しい市場環境下でエルピーダは戦ってきました。
ここにきて高級携帯端末機器の登場で、DRAM需要はパソコンに加えて当該端末機向けが伸びることは明確になってきています。
同時にパソコン向け需要は大きく伸びなくなる予想も出されています。

エルピーダは、DRAMをパソコンと携帯端末両方に上位プレーヤーとして供給する選択肢を当然考えていると推測します。
エルピーダは力晶のDRAMをパソコンメーカーに供給し、自社生産分は携帯端末向けに供給します。

一方、力晶は投資負担が重い最先端のDRAM開発を自力で続けるのは困難と判断し、DRAM事業をエルピーダに委託する道を選んでいます。
画像センサーや液晶駆動用の半導体などのファウンドリー(受託生産会社)への転身を図るようです。

上記スキームで、エルピーダと力晶の間で「Win/Win」関係が成り立ちます。

エルピーダと力晶合せてのDRAMシェアは、約20%で韓国ハイニックス半導体(21.6%)に近くなります。
汎用半導体市場で大きなシェアを持つことは、勝者としての絶対条件です。

多分、エルピーダはナンバー1か2の地位を確保しないとDRAM市場での生き残りは難しいと考えます。
この観点から、今回の力晶との提携だけでは十分ではなく、更に上位プレイヤーとしての立場を確保するため、連携やM&Aを駆使していくと予想しています。
当然、目指すべきはナンバーワンプレーヤーです。


国内の電子部品・機器業界は、集中と選択の真っただ中にあります。

中小企業は、上記のような大手・中堅企業の動き方を参考にしつつ、自社の経営力強化に連携やM&Aをどう活用するか考え実行する選択肢もあります。
一社で出来ることは限られていますので、「Win/Win」が成り立つ連携を活用することも大事です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;日産/ダイムラー,生産提携メキシコに工場 に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/11/16 09:40)

日経記事;インテル,グーグルと協力スマホ向半導体でに関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/09/14 09:06)

日経記事;"ニコン,インテルから開発費次世代半導体製造装置"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/08/08 09:50)

日経記事;日産ベンツCクラスにエンジン供給米市場でに関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/01/09 08:21)

日経記事;米HP,スマホ向OS無償公開アンドロイド追うに関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/12/11 08:43)