“I”メッセージは、自分の感情を上手く相手に伝えて受け止めてもらうノウハウです。
例えば門限に遅れた子どもに対して親が、
「今何時だと思ってるんだ」
「お前はどうして決めた時間が守れないんだ」
ついこの様に言ってしまいがちですが、自分が同じ様に言われたら果たして素直に聞く事が出来るでしょうか。悪いと思っていても反発心が先に立って言い返したり無視してしまうのではないでしょうか。実はこれらの言葉は主語が全て相手(You)なのです。つまり相手を主語にすると相手を責める言葉になりがちで、素直に聞く気持ちになれなくしてしまうのです。これを私(?)を主語にして話す事で、自分の気持ちを伝えやすく、相手が受け止めやすい言葉になるという事なのです。
前の例を“I”メッセージにしてみると
「遅いからすごく心配してたんだぞ」
「時間が守ってくれない事を、とても嫌だと思っているんだ」
ニュアンスが柔らかく、話し手の気持ちがわかりやすいと思います。子供さんも“自分が悪かったかな”と考えてくれるのではないでしょうか。
厳しいビジネスの場では知らず知らずのうちに相手を思いやる余裕が無くなり、つい強い調子で相手を叱責してしまいがちです。しかし責める言葉が多くなると、できればあの人と話したくないとコミュニケーションの量は減っていきます。信頼関係を築けずお互いの真意が理解できないため、的確な指示であってもやらされ感や不満を持つようになり、人は徐々に“やる気”を失っていきます。
話し方、伝え方を少し工夫するだけで、コミュニケーションを増やしてお互いの理解を深める事は出来ます。“I”メッセージも一つの方法として利用してみてはと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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