日経記事;NEC,レノボ本体に2%出資 パソコン合弁発表に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;NEC,レノボ本体に2%出資 パソコン合弁発表に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 海外展開
経営戦略 海外展開

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月22日に日経記事;『NEC、レノボと合弁 パソコン日中連合』に関する考察 のタイトルでブログ・コラム記事を書きました。

本日はその続編として、1月28日付の日経新聞に掲載されました記事;『NEC、レノボ本体に2%出資 パソコン合弁発表 スマートフォン台頭に危機感 規模追求へ日中連合 』に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『NECと中国のレノボ・グループ(聯想集団)は27日、パソコン事業で提携すると正式発表した。6月をメドにレノボが51%、NECが49%を出資する合弁持ち株会社を設立。日本と中国のパソコン市場でシェア首位の両社が、開発から生産、部品調達を一体化して、競争力を高める。世界3位入りを狙うレノボと、経営体質の強化を急ぐNECとの思惑が一致した。

合弁会社はレノボ・NECホールディングスで、本社機能は東京に置く。生産拠点の米沢事業場(山形県米沢市)を含むNECのパソコン事業と、レノボ日本法人の研究開発・販売部門などが傘下に入る。レノボは5年後に合弁の出資比率を引き上げる権利を持つ。

NECはパソコン事業を合弁に移す見返りに、レノボ本体が新規発行する約145億円相当の株式(出資比率で2%前後に相当)を受け取る。NECブランドは残し、利用者向けのサポート体制も続ける。

■新型端末が市場浸食

共通するのは激変するパソコン市場への危機感だ。スマートフォン(高機能携帯電話)の世界出荷台数は2011年にパソコンを抜く見通し。米アップルの「iPad」のようなタブレット端末も人気だ。低価格パソコンの「ネットブック」で急成長した台湾・宏碁(エイサー)は、10年10~12月期の世界出荷台数が前年同期比15%減少した。

レノボは05年に米IBMのパソコン事業を12億5000万ドルで買収。世界3位に躍り出たが、欧米市場ではブランド力が弱く07年には4位に後退。金融危機の影響もあり09年3月期には最終赤字に転落し、従業員の1割削減に追い込まれた。

その後、中国政府が農村で導入したパソコンの購入補助金制度を追い風に売上高を伸ばし、黒字を回復。世界で再び攻勢に出ようと海外メーカーの買収を探っていた。

■「選択と集中」の仕上げ

NECは収益力の強化が急務だった。27日に発表した10年10~12月期連結決算は265億円の最終赤字(前年同期は96億円の赤字)で、国内の電機・IT大手に比べ収益回復の遅れが際立つ。

1990年代初頭まで国内で50%超を誇っていたパソコンの国内シェアは、今や約18%。同事業の売上高は約2000億円だが、営業損益は「ここ数年トントンの状況」(小野隆男執行役員専務)。09年には海外市場から撤退した。

NECは10年に赤字続きの半導体事業をルネサステクノロジと統合。携帯電話機事業もカシオ計算機、日立製作所と統合した。パソコン合弁は「事業の選択」の仕上げとなる。今後は主力の通信機器事業のほか、ITサービスと、電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池などに経営資源を集中する。世界と渡り合える製品・サービスの育成が課題だ。』


今回は、NEC及びレノボが持っている市場感とそれに基づく対応の仕方について述べます。

NECは国内で18%のパソコンシェアを持っていますが、世界市場で見ますと米国市場での事業失敗後、海外市場から撤退したため殆どゼロ%です。

レノボは、IBMから“Think Pad”ブランド(5年間使用可能)付でパソコン事業を買収し、当該ブランドが有効の間は、旧IBMファンを中心に顧客がいましたが、現在、日本や欧米市場では売れていないようです。

パソコン市場を見ますと、新興国ではこれからも市場拡大が見込まれますが、日本や欧米市場ではタブレット型パソコンが台頭し、現在のキーボード付きパソコン市場は縮小傾向とみられています。

これは、Webサイトを見たり簡単なメールの送受信出が主使用目的の場合にはタブレット型パソコン機能で十分との市場認識があるためです。

キーボード付きパソコンを仕事に使っている立場からしますと、外出先で資料やWebサイトを見るにはタブレット型パソコンを使う応用になると考えます。
資料作成やメール仕事に現在のキーボード付きパソコンは有効なツールですので、このニーズがこれらの機能に不向きなタブレット型パソコンに置き換わることは考えにくいです。
ただ、外出先や自宅でWebサイトを見たり簡単なメールの送受信出が主使用目的の用途には、安いタブレット型パソコンが売れることは十分に可能性があります。

この観点からキーボード付きパソコンの市場が世界的に縮小していく予測です。

1月22日のブログ・コラムで書きました様に、世界市場で生き残っていくには、少なくとも10%以上のシェアを持つ必要があると考えます。ましてや、キーボード付きパソコン市場が縮小行く中では、なおさらです。

米IDCがまとめた2009年度の世界シェア(台数ベース)は以下の通りです。
1.HP      19.7%
2.デル     12.6%
3.レノボ+NEC   9.1%
4.東芝      5.2%
........
7.アップル    3.7%
........
9.ソニー     2.1%
10.富士通    1.8%、など

今回のNECとレノボの提携は、両社で10%以上のシェアを取って生き残りを図るのが目的の一つと考えます。

市場規模自体がパソコンのように大きい場合は、10%以上のシェアで何とか生き残りを図れますが、市場規模が小さい場合、30%~50%くらいのシェアがないと生き残れない可能性があります。

中小製造業者は、国内最大手のパソコンメーカーでも国内市場だけでは生き残れない時代になってきていることを深く理解する必要があります。

差異化できる技術や商品開発力がある中小企業は、積極的に海外市場を開拓し、大手・中堅企業が手を出さないニッチ市場で50%~100%のシェアを取る戦略を考え・実行する時期に来ています。
既にこの事を行っている企業は更に加速する必要があります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;『丸紅、穀物軸に「総花」脱す』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/08/14 08:32)

日経記事;カネ,カ有機EL照明量産 既存事業を下支え に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/01/12 06:58)

日経記事;『半導体大手、最先端品へのシフト加速』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/07/10 09:37)

中小製造業者の海外事業展開に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/02/06 13:08)

日経記事;炭素繊維オールジャパンで巨大市場に挑む に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/01/17 09:21)