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日経記事;仏ルノー容疑者告訴 電気自動車情報流出 に関する考察

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情報・知識 事業者側からみた機密保持契約(NDA)の扱い

皆様、おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月14日付の日経新聞に、『仏ルノー、容疑者Xを告訴 電気自動車の情報流出』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

 
『仏ルノーは13日、電気自動車(EV)関連の情報を盗み出した疑いがあるとして、対象者を「X」としてパリ検察当局に告訴した。今後は仏国内情報局が捜査する。漏洩に関わったとみられる3人の幹部はいずれも疑いを否定している。一方、与党国民運動連合(UMP)は産業スパイ対策の新法の準備を進めていることを明らかにした。

ルノーは同日、「産業スパイの疑いで“X”を告訴した」などとする声明を発表した。ルノーは情報の流出先を明らかにしていないが、仏報道は中国企業の関与を連日報じている。中国は反発を示しており、中国と太いパイプを持つとされるラファラン元首相は12日「現段階で中国の関与を論ずることは意味がない」などと語った。

 UMPは12日、産業スパイ対策の新法を下院事務局に提出。米国の産業スパイ対策法を参考にした内容で131人の議員が賛成しているという。


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電気自動車「戦略情報が流出」 ルノー情報漏洩問題
仏ルノーの電気自動車(EV)技術が同社幹部により外部に漏れた問題で、ルノー担当者は6日、日本経済新聞に対し「(EVに関する)戦略的活動」に関する情報が流出したと語った。ルノーは情報漏洩にかかわった3人について3日から停職処分としている。
 ルノーは漏洩した情報の具体的内容を明らかにしていないが、EVの電池やモーターなどの技術情報が含まれている可能性があり、今後の事業活動に影響を及ぼす恐れがある。流出先も「コメントできない」と述べた。

ルノーの法令順守委員会は昨年8月、幹部3人について情報漏洩の疑いがあるとして社内調査をしていた。3人の氏名は不明だが、経営委員会の委員も含まれるという。

ルノーは日産自動車との技術提携でEVを実用化し、この分野では世界最先端の技術を保有する。EVは先進国だけでなく新興国メーカーも参入して技術競争が激化しており、仏紙は今回の情報流出の背景には他の自動車会社がいるとの見方をしている。』


機密漏洩問題は、他国の話しではありません。
国内企業同士でも容易に起こり得る話です。

現在多くの企業が連携やM&Aを活用した事業活動を行っています。
この時に大事なことは、ノウハウ、特許を含めた機密情報の扱いと活用です。

以前、大企業が下請けの金型中小企業のノウハウを言わば強制的な形で搾取したことが新聞で報じられました。下請け企業は、大企業の意向に逆らえずそのノウハウを無償で開示せざるをえなかったのです。

政府が定めた「不正競争防止法」では、企業において適切に管理されたノウハウなどの営業秘密を侵害する罪に対して刑事罰(営業秘密侵害罪)を規定し、その保護を図っています。

上記大企業の横暴は、明らかに不正防止法違反です。

ただ、実際には、法律だけでは機密情報漏洩や強制搾取から守れません。


連携を行う事により、秘密情報の侵害行為が格段に容易になり、事業者は瞬時にして致命的な損害を被る可能性に直面しています。
中小企業にとっては、技術・ノウハウ・アイデアなどの価値ある情報をどう活用し、かつ、守るかを戦略的に考える時に来ています。

ルノーは、社内に厳密な秘密情報管理体制を持っていると考えています。
しかし、新聞報道にあるようにこの中にいる幹部クラスの役員が意図的に秘密情報を漏洩したのなると、正直手の打ちようがありません。
最後は人の問題になるからです。

ルノーの問題は、少々極端なケースです。


中小企業は、特に自社の技術・ノウハウ・アイデアなどの価値ある情報の使い方と守り方を慎重に考える必要があります。
これが無償で流出し、特許化などの防護策を行っていないとクレームも満足にできないし、自社経営に深刻なダメージを与えることがあります。

片一方、差異化可能な技術・ノウハウ・アイデアは、それ自体に大きな価値を持っており、連携の時の大きな武器になります。

そこで、上記しました様に、価値ある情報をどう活用し、かつ、守るかを経営戦略の一つして明確に考え、規定する必要があります。

価値ある情報をブラックボックス化して中に閉じ込め、他社が中味を見れないようにして他社に供給する方法もあります。例えば、ファームウエアを入れ込んだ半導体を外販するやり方です。

また、逆にオープンにしないと連携を進められないケースもあります。
この時は、開示する情報をどう守るか、防護策を考えて慎重にことを進める必要があります。

防護策の一つの方法として、機密保持契約や共同で動く場合の決めごとを規定した覚書・共同開発契約などの契約体をしっかりと結ぶやり方があります。

国内の中小企業間の連携を支援するときに、時々機密情報の扱いが曖昧なまま共同事業活動が行われていることを目にします。
このような場合、私は先ずお互いの秘密情報や、共同作業の成果物の扱い、費用の分担などのデリケートな事項の明確化をアドバイスし、実行してもらいます。
具体的な方策は色々とあります。

連携は、他人と言う「他社」同士のお付き合いであり、何時でも関係が破断する可能性を念頭に置いて行うべきとアドバイスしています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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