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対象:心と体の不調

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閲覧数順 2016年12月04日更新

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ホノルル「完走」日記・マラソンブームと関連産業の隆盛(7)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・マラソンの翌日は、お昼近くまでゆっくりと寝ていました。マラソン本番前の2日間には合計6時間も眠っていませんでしたので、こんなにぐっすり眠れたのは3日ぶりです。起きてみるとホテル近くのワイキキビーチが見え、いつも通りのリゾートの雰囲気です。すがすがしい開放された気分で朝を迎えられたことに感謝し、昨日フルマラソンを走ったことも一瞬ですが忘れていました。ところが少し歩いただけで現実に引き戻されてしまいました。足のひどい筋肉痛です。特に左足が痛く、引きずらずには歩けません。足だけでなく腰から背中、肩などにも痛みがあり、何とも経験したことのない全身の痛みです。

それでも会計士らの仲間と昼食を食べた後、思い切って近くのビーチへ行き、水泳やサーフィンをしました。マラソンを走った後はじっとしていないで、むしろ動いた方が回復が早い、とされているからです。いわゆる「アクティブ・レスト(活動的な休養)」です。例えばマラソンの翌日に一日中寝ていると、乳酸が代謝されずに筋肉内に留まり、しつこい疲労感が続いてしまいます。それに比べると、適度に運動やストレッチなどの活動をすることにより、血流が良くなって乳酸などの排出が促進され、また痛んだ筋肉の回復が早まるのです。但しランニングの時とは違った筋肉を使う運動種目が勧められています。

実は私にとっては、サーフィンをするのも初めてです。泳ぐのはそれほど苦手ではありませんが、もともとマリンスポーツに関わりのなかった私が、サーフィンをしようと思ったことはこれまでありませんでした。従ってこの時も、ビーチでは適当に泳いだりすればいい、と考えていたのです。しかしサーフボードを片手にビーチを行き来している様々な人種の人たちを眺めたり、実際にサーフィンに興じている若者達を見ていると、不思議と自分も「やってみたい!」と感じるようになったのです。試しにボードをレンタルしている店に行ってみると、意外と安く貸し出しています。私はさっそくサーフィンにトライしてみることにしました。

サーフィンといっても、ボードの上に立った姿勢で波を次々と乗りこなす、などという芸当は出来るはずもありません。実際に多くのサーファーは、ボードにうつ伏せの姿勢で波に乗ろうとしており、これだと比較的安全で簡単そうです。しかしやってみると、なかなか難しいものです。方向を転換しようとする時などに、何回も水中に放り出されました。しかし1回だけですが、きれいに波に乗ることができました。この時の充実感や達成感は、今でもはっきり覚えています。このサーフィンが丁度良いアクティブ・レストとなり、その後は驚くほど身体が楽になって、筋肉痛も次第に緩和していきました。

サーフィンに興じながら、ふとマラソンの魅力とは何だろうか、と改めて考えてみました。マラソンの直前や最中には自分が何とか完走することばかりを考えていましたが、走りを終えた今は少し余裕をもってマラソンというスポーツを観察することが可能です。このホノルルには約2万人もの日本人が参加したのをはじめ、まさにマラソンブームといえます。ブームに乗っているのはランナーばかりではなく、スポーツクラブやスポーツ用品業者、さらに旅行会社などが様々な趣向を凝らしてマラソン・ツアーを組み、顧客であるランナーの取り込みに躍起です。今や世界中がマラソンに夢中といってもよいでしょう。

ランナー向けの雑誌をみて驚いたのですが、海外で開かれるマラソンはこのホノルル以外にも数多くあります。特に日本人に人気なのがオーストラリアの「ゴールドコースト・マラソン」、米国の「ニューヨーク・シティマラソン」、カナダの「バンクーバー・マラソン」などで、大会によっては応募者多数のために抽選になっています。国内も含めると、ほぼ毎週のように何処かでマラソン大会が開かれている訳です。最も驚愕したのが「南極マラソン」で、何と氷点下20℃以下にもなるという南極大陸でフルマラソンを走る、というから驚きです。全く、人間のチャレンジ・スピリッツは留まるところを知らぬかのようです。

ただマラソンは考えてみれば、実に単調なスポーツです。なにしろ40km以上もの長い距離と時間にわたり、ひたすら前へ足を運ぶだけです。初挑戦のサーフィンや以前やっていたエアロビクスなどと比べても一見退屈に見えますが、この単調さが逆に「分かりやすさ」として、多くの人々の心を引き付けているのかも知れません。長い距離を走れるかどうかはともかく、誰にでも分かりやすい、取り組みやすいスポーツであることは確かです。マラソンは一人で走る競技ではあっても、ランナーが皆で一緒に走る、或いは沿道の人も応援を通してランナーと一体化する、という魅力があることに気付きました。

そしてマラソンには「自分への挑戦」という側面があることも見逃せません。トップクラスの選手は別にして、大半のランナーにとって順位は二の次で、むしろ自分自身と戦う必要があります。走行中の疲労や足の痛みはもとより、精神的な圧迫感、練習時間の確保、大会出場への決断、周囲の理解など、乗り越えなければならない課題がたくさんあります。かくいう私も膝の痛みと戦いながら走りました。そのような数々の試練を乗り越えながらゴールした暁には、例えようのない感動や達成感、充実感を味わうことができます。これはマラソンを完走した人にしか体験できない大きな感動なのです。

さらにマラソンは「健康に良い」ことが決定的です。皇居マラソンでもホノルルでも、マラソンランナーは皆そろって健康で元気、若々しいものです。これくらい長距離を日常的に走れば、多少食べ過ぎても太ってしまう危険はありません。いま流行りのメタボ対策にも、マラソンやランニングほど取り組みやすく、効果がはっきり現れるスポーツはそれ程多くないのです。このマラソンやランニングと正しい食事法、身体を芯から活性化するような健康法とを組み合わせた、きわめてエキサイティングな「健康セミナー」を近い将来開催するという構想が、帰りの機内でふと頭に浮かびました。

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