日経記事;ファナック国産宣言 すべてを決める開 発に関する考察 - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

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日経記事;ファナック国産宣言 すべてを決める開 発に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月12日付の日経新聞に。『(企業 強さの条件)第7部 日本だからできる(1) ファナックの国産宣言 すべてを決める研究開発』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『工作機械の頭脳となる数値制御(NC)装置で世界シェア6割を握るファナック。富士山のふもと、山梨県忍野村に本社を置く同社は有価証券報告書の事業リスクの項目に「富士山噴火」を挙げる。よほどの天変地異でも起きない限り、この地を、そして日本を離れるつもりはない。

ファナックの新製品にアジアの工場が注目する(昨年10月の見本市)
150万平方メートルもの敷地に点在する研究所の扉にはこんな言葉が記されている。「Weniger Teile(ベニガー・タイレ)」。ドイツ語で「部品点数の削減」を意味する。「少ない部品でつくればコストが下がり、信頼性は上がる」。実質的な創業者で名誉会長の稲葉清右衛門はこの言葉にもの作りの基本方針を込める。

清右衛門は「ありきたりの設計を製造段階で改善しようとしてもどだい無理」と言い切る。円高を乗り切るために、多くの日本企業が工場でのコスト削減に血道をあげる。対するファナックの発想は「利益は開発時点で決まり、製造段階では生まれない」。

ありきたりではない製品をどう生み出すのか。決めるのはまず価格だ。内外約200カ所に置いた保守サービス拠点を通じて市場の変化や顧客の要望を吸い上げ、競合他社に負けない価格を探る。価格から一定の利益を引いて製造原価を算出する。この原価に収めるのが設計の絶対条件。原価に利益を上乗せし価格を決める手法の逆を行く。

世界最大の工作機械生産国になった中国。最大手の瀋陽機床はNC装置の7割をファナックから購入する。「同じ性能なら世界2位の独シーメンスより1割ほど安い」と瀋陽機床の関係者は説明する。ファナックの海外売上高比率は75%を超えるが、円高の逆風下でも昨年7~9月期の売上高営業利益率が43.8%と過去最高を更新した。

生産も国内に集中する。昨年末、茨城県筑西市の工場で増築が始まった。6月には新棟が完成し、工作機械の生産能力が今より6割増える。ここでつくる機械の大半をスマートフォン(高機能携帯電話)などの増産を急ぐ中国企業が競って買う。昨年秋には本社工場で産業用ロボットの生産量を7割引き上げた。

清右衛門の長男で社長の稲葉善治は「1カ所でつくるのが一番いい」と強調する。国内工場は自動化が究極まで進み、少ない部品による設計が生産性を高める。なにより「研究者がすぐに製造現場に行ける。現場から得るものは多い」と善治はいう。

研究開発の強化だ。世界で成長を目指す日本企業は国内で付加価値の低い製品の開発、生産を続けられない。日本だからできる研究開発を突き詰めれば、生産現場の強さが生きてくる。ファナックは将来、研究者の数を従業員の半分に引き上げる腹づもりだ。現預金は年間売上高を上回る5300億円。成長に投じる資金はある。。。』


上記記事には、中小製造業者が参考とすべき示唆が含まれています。

売上が落ち込んできたり、顧客からコストダウンを要求されますと、一般的な対応は製造現場の合理化や調達コストの削減を行います。

今の円高及び日本に進出した世界企業との熾烈な競争にさらされる企業が、日本でのモノづくりにこだわる場合、開発・設計段階で差異化を目指し、更に製造段階で部品調達コストを含めた製造コストの削減を行います。
また、世界企業との競争が激化すると高機能・高性能化でかわそうとします。

ファナックのすごさは、全ての売値とコストを開発段階で決めることです。
多分、顧客の声や競合他社の動きを見ながら新製品の価格・機能・性能を決め、一気に開発・設計・製造に進むプロセスを取っていると推測します。

全ては、清右衛門さんの「ありきたりの設計を製造段階で改善しようとしてもどだい無理」と言う言葉に集約されています。
開発段階で全てを決めてしまう、やり方です。

現在、電気や自動車業界で現地市場に適合した製品を商品化して市場導入するやり方が流行りになっています。
これは世界共通製品を売るや方に比較し、各ローカル市場に合った機能・性能・価格帯で売る方法です。
この方法もファナックと同様に開発・設計の段階から売値や機能・性能の目標を決めて商品化する方法を採用していると考えます。

ファナックが電気や自動車の企業と異なるのは、日本を拠点にすることを明確化していることです。
円高や海外企業との競合で製造拠点を海外に移す方法が一般的な中でファナックの経営姿勢は注目に値します。

私も他の専門家とチームを組んで中小企業支援を行っており、特に力を入れているのが日本を拠点して海外に輸出する企業の支援です。
開発力はあるが資金が無い企業に対しては、政府や自冶体の補助金活用の支援をしています。

今後、ファナックを見習って開発段階で売値を明確に設定して機能・実装するやり方の導入を勧めることにします。
言われてみると当たり前のことですが、目からうろこのやり方です。

最初からファナックと同じようにすることは難しいと思いますが、トライアンドエラーの精神で考え・実行していく姿勢が大事だと考えます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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