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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月22日更新

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ホノルル「完走」日記・マラソンブームと関連産業の隆盛(6)

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  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・鎮痛剤が効いたのか、25km手前辺りから若干ですが左膝の痛みが和らぎました。ペースを少し落としたことも奏功したようです。走り方も出来るだけ上体を引き上げて背筋を真っすぐにして走るように心がけましたが、今さらながらフォームの重要性というものを感じました。25kmを越えた辺りは高級住宅街を通る周回コースで、短時間ながら牧歌的な風景を楽しむことができました。しかしながら余裕があったのはここまでで、ハイウェーの復路に入った30km付近からは、またしても左膝の痛みに襲われるようになりました。走る辛さには周期があると言われますが、ここが正念場と思い辛抱しました。

 

手持ちの鎮痛剤がもう1つあることに気付いて飲みましたが、今回は殆んど効きませんでした。エイドステーションで補水と同時に入念にストレッチをし、また所々置いてある氷で足などを冷やすことで、何とか痛みをしのぎました。しかし根本的に痛みが軽減する様子もなく、ゆっくり走ったり歩いたりのペースが続きました。驚いたのはハイウェーの反対側の往路を悠然と歩いている集団です。我々よりもさらに後方の集団ですが、こうなると完走というよりは「完歩」を目指している様子です。ホノルルマラソンに時間制限がなくて初心者にも人気である理由を改めて実感し、マラソン競技の奥深さを思い知りました。

 

ハイウェーを過ぎて35km地点からは住宅街に入り、再び沿道の声援が多くなりました。エイドステーションには水などの飲み物だけ用意されていて食べ物は一切置いてありませんが、沿道の住人が熱烈な声援とともにオレンジやチョコレートなどの食べ物をボランティアで提供していました。これには体も気持ちも本当に助かりました。ここまで来て、確かに膝や足などは痛いものの、身体自体は思ったほど疲れていないことに気付きました。3日間のカーボローディングを含めエネルギー補給はバッチリで、走行中の補食や補水もまずまずです。あとはこの膝の痛みさえなければ・・と少し悔しい気持ちにもなりました。

 

しかしこの時点で自分よりも苦しい表情や姿勢のランナーが多いことにも気付き、自分にはまだ余力があると感じていました。遥か後方を走っていたはずの会計士や、諏訪湖合宿の集団に途中で追い越されはしましたが、声をかけられると本当に勇気付けられるものです。彼らに追い付こうとは敢えてせず、自分の走りを続けることに集中しました。ダイヤモンド・ヘッドの上りが最後の難関でしたが、「あと2km!頑張れ!」の掛け声で乗り切りました。峠越えの下りを過ぎて直線道路に入ると、ようやくゴールが見えました。もはや歩く時間の方が長くなっていましたが、最後の力を振り絞って走り、ゴールを切りました。

 

ゴールした直後に私の氏名が日本語で読み上げられるのがはっきり聞こえました。計測チップがゴールラインを越えると、自動的に大会本部のパソコンに表示されるのでしょう。タイムは目標の6時間をわずかにオーバーする6時間02分27秒でした。初マラソンにしては上出来だと感じましたが、同時に前半のペースをもっと抑えれば、後半の筋肉痛とペースダウンをある程度避けられたのでは・・との反省もありました。ゴールした後は完走記念の首飾りとメダル、Tシャツを受け取って、諏訪湖合宿チームの陣取るテントに向かいました。マッサージとアイシングのサービスを受けるためです。

 

40km超という長距離を走った後は、足などの筋肉が極度に疲労し炎症を起こしています。従ってマッサージと氷によるアイシングが欠かせません。事実、テントに向かう通路には足を引きずって歩いているランナーが大勢いましたが、かくいう私自身も左足を引きずっていることに気付き、苦笑いしてしまいました。マッサージを受けるテントはJTBの巨大なテントの一角にありましたが、JTBのワッペンを貼っているランナーが何十人もシートに寝そべったりマッサージを受けたり、食事をしていたりしました。この方々は皆、JTBのツアーを利用して今回のホノルルマラソンに参加したのでしょう。

 

我々は往復の航空券とホテルだけを予約したので分かりませんでしたが、JTBやHISなどの大手の旅行会社は、ホノルルマラソンのような人気のマラソン大会にはビッグなツアーを組み、大々的に集客しているようです。そういうツアーは若干割高になりますが、航空券やホテルの手配はもちろん、バスによる会場への送迎、各種手続きの代行、マッサージや休憩所の提供、各種オプショナルツアー、果ては完走パーティーなど、至れり尽くせりのサービスを提供しています。旅行会社だけでなく、スポーツクラブやスポーツ用品メーカーなども競ってマラソン・ツアーを企画しており、まさに巨大市場と化しています。

 

マッサージとアイシングを受けた後に身体はいくぶん楽になりましたが、まだまだ足の筋肉痛は続きます。宿泊するホテルがゴール地点から歩いて15分と比較的近いのは、本当に助かりました。ホテルに戻って入浴した後、近くの日本料理店で仲間と祝杯をあげました。長距離を走った直後は意外と食欲が湧かないものですが、もはやカーボローディングや節酒の必要もなく、久々に料理と酒を存分に楽しみました。夜にはハワイ独特の「ロミロミ・マッサージ」のお店に行き、その独特な心地良い施術によってマラソン完走の余韻に浸っているうちに、ワクワクするような構想が湧いてくるのを自覚しました・・(続く)

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