日経記事『パナソニック,ネットTVの中核技術公開』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事『パナソニック,ネットTVの中核技術公開』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月6日付の日経新聞に、『パナソニック、ネットTVの中核技術公開 ソニー・グーグルに対抗』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックはインターネットに接続できる薄型テレビの中核技術を国内外のテレビメーカーなどに無償で公開する。画像表示などのソフト技術を共通化し、映画産業などがコンテンツを供給しやすくする。ネット対応テレビではソニーが米グーグルと組んだが、パナソニックは自社技術を公開することで対抗勢力づくりを目指す。

供与する技術は、ネット上のコンテンツをテレビ画面で表示するなどの役割を持つ「Ajax―CE」と呼ぶソフト。現状はテレビメーカーが同種のソフトを独自に開発している。映画会社などがネット経由で作品を配信する場合、各メーカーのソフトに合わせて映像データを加工する必要があり、ネット対応テレビ向けコンテンツの普及の壁になっていた。

ソニーはグーグルと共同開発したネット対応テレビを昨年10月に米で発売。グーグルは今年、画像表示を含む基本技術を他のメーカーにも公開する方針で、テレビ各社はグーグル陣営に加わるか態度決定を迫られている。グーグルの基本ソフトや米インテルの半導体の採用が前提となるなど基幹技術で主導権を握られかねないため、パナソニックは独自に陣営をつくる。

パナソニックは国内や中国、台湾のテレビメーカーなどにソフトの採用を働きかける。供給先のメーカーの仕様に合わせてソフトを改良する場合に備え、ACCESSなど国内外4社のシステム開発会社が有料で開発を請け負う体制も整える。』


昨年ソニーはグーグルと連携してネット対応テレビを米国で発売し、今年中に国内でも販売開始する予定です。
ソニーは、グーグルのOSを採用し且つ、条件の一つになっていますインテルのCPUを搭載したネット対応テレビを商品化しています。
つまり、現在のパソコンと同じ事業構造で当該テレビを作る道を選んだわけです。

これに対して、パナソニックは独自のネット対応テレビを世界標準とすべく、他社にコア技術を開示してファミリー作りを始めたと見ています。

グーグルは、パソコンや高級携帯端末(スマートフォンやタブレッド型パソコン)と同様に、無償で自社OSを開示し、ネット対応テレビでも世界標準とすべく動いています。

テレビメーカーの視点で見ますと、グーグルOSを採用して商品化しますと、自社の優位性・独自性を技術的に出すことは難しく、パソコンと同じように水平分業的に必要な部品を入手できますので他社も容易に参入し、値段のたたき合いになる可能性があります。

既に、グーグルのOSを採用した高級携帯端末では、このような傾向が出始めています。

グーグルは、ネット対応テレビが普及し、Webサイトを通じた広告検索収入の増収を狙っていますので、メーカーの販売価格が下がり普及が進むのは大変好ましい事になります。

パナソニックは、パソコンと同じ轍を踏まないために、自社を中心にした世界的なファミリー作りを行おうとしていると考えます。
パソコンのように誰でも作れる商品では無く、メーカーにとって利益をあげられる仕組みづくりを目指しています。
但し、このように作ったネット対応テレビも現在の液晶テレビのように、全世界的に売値が下がる可能性は大いにあります。

ソニーの場合には、グループ内にコンテンツを持っており、ネット対応テレビが普及すれば自社ルートで当該コンテンツを配信できるメリットがあります。
ソニーはテレビ機器とコンテンツ配信の相乗効果を狙っています。

ここに、パナソニックとソニーが異なった戦略を採用した理由があると見ます。

ブロードバンド化がますます普及していきますのでネット対応テレビの需要は高まります。米調査会社のディスプレイサーチは昨年5千万台弱だったネット対応テレビの世界出荷台数が14年に1億2千万台強になると予測しています。

グーグル、ソニー、パナソニックなどの主要プレーヤーの連携・ファミリー作りのやり方は、どれが正しいというものではなく、現在それぞれの思惑で「Win/Win」の関係を作れるように動いています。

誰が勝者になるかは、ファミリーの規模と収益をどれだけ確保できるかで決まってきます。
今年から来年で勝敗が決まると思います。

しばらく注目していきます。

中小企業が他社との連携を考え・構築するときに、このたびのネット対応テレビに関わる仲間づくり・連携の仕方は大いに参考になります。

国の外交と同じで自社の強みを持ってそれを使いながら、連携・同盟の輪を広げて収益を継続的にあげられる仕組みを作ることが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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