日経記事;『起業支援マネー低迷 ベンチャー投融資』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『起業支援マネー低迷 ベンチャー投融資』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月5日付の日経新聞に、『起業支援マネー低迷 昨年度のベンチャー投融資、ピーク時の3割 公的融資も利用伸びず』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。 

『ベンチャー企業や個人の創業を支援する「起業マネー」の供給が滞っている。ベンチャーキャピタル(VC)の昨年度の投融資額はピーク時の3割に減少。創業期の企業による公的融資の利用額も同8割程度と低迷が続いた。民間銀行の起業家向けの融資も伸びず、中小企業への貸出残高は過去最低水準となった。足元でも回復の兆しはみえない。日本経済の成長に向けて、新興企業の育成策などが改めて課題になりそうだ。

経済産業省の外郭団体が調べた国内VCの2009年度の投融資額は875億円。直近のピークである06年度(2790億円)の3割程度の水準にまで落ち込んだ。10年度も大手VC、日本アジア投資の上期の国内での投資実行額が約5億円と、前年度通期実績の6分の1にとどまるなど、各社とも投資を手控えている。企業の新規上場数が減少しており、資金回収しにくくなっていることが投資減少の一因だ。

日本政策金融公庫が創業間もない事業者向けに貸し出す「新創業融資制度」の09年度の融資額は394億円と、前年度に比べ2割減少した。10年4~9月も195億円と回復しておらず、公的な創業支援には手詰まり感も出ている。

個人のリスクマネーも回ってこない。証券業界がベンチャー支援の一環と位置づける未上場株式を売買する「グリーンシート市場」の10年度上期の売買代金はわずか1億円。政府がVC投資を税優遇するために08年度に拡充した「エンジェル税制」を使った09年度の投資額は8億1千万円と前年度に比べ、3割弱少なくなった。

08年秋のリーマン・ショック後に先進国のベンチャー企業への資金供給力は大幅に低下した。ただ、米国の10年1~6月のVC投資額は114億ドルと前年同期比49%増加。環境分野やハイテク分野への投資が拡大しており、成長市場への資金流入が回復し始めている。

日本国内は起業に向けた環境整備が遅れ、廃業数が開業数を上回る状態が続く。民間銀行の中小向け融資残高は170兆円強とピーク時の1990年代半ばから35%も減少した。経済環境の持ち直しで企業や個人の預貯金は増加しているが、リスクマネーの成長分野への投資は限定的だ。。。』


上記記事は現在の起業状況を端的に示しています。
2008年度版の「中小企業白書」では、毎年の開業率と廃業率を集計・報告していました。
これを見ますと、1986年から2006年までの20年間、毎年廃業率が開業率を上回っています。

毎年廃業する主な理由は何だと想像されますか?
それは、「集客の難しさ」です。
客がいなくて売上確保が出来ないのです。

売上さえ確保できれば、資金も回転します。

私自身の経験でも、以前起業支援した企業の多くが2~3年後には廃業に追い込まれていたことを後で知りました。起業した企業の生存率は、20%以下でした。
私はこの時自分の愚かさを悟りました。

起業さえ支援すれば、その企業は生き残っていく、何とかなると思い込んでしましたが、事実はそうでは無かったのです。
本当に必要な支援は、起業後の事業継続です。そして継続のポイントは「集客」です。

私はマーケティングや販売の専門家ではありあませんので、集客支援を必要とする中小企業に対しては、必要に応じて専門家や専門企業を紹介してマッチングを図り、事業の維持拡大に必要な支援を行っています。


さて政府はもし本当に起業率を高めたいと考えるならば、以下の施策を行う必要があると考えます。

1.起業するリスクの低減
⇒起業に失敗し借金がある場合、経営者は全て自己責任で返済する必要があり、持家の売却などにより家族を路頭に迷わすリスクが高い。
事業に失敗し借金が残ると、金融機関のブラックリストにずっと残る。

上記リスクの低減策を政府に考えて欲しいと思います。
勿論誰でも無条件に救えと言っているのではなく、事業内容や持っている技術・ノウハウの質などを確認したうえで、条件に合った企業のみを対象にするやり方も考えられます。

2.融資の適用条件の緩和
⇒記事の中に日本政策金融公庫が創業間もない事業者向けに貸し出す「新創業融資制度」について書かれています。
私が支援した企業のうち何社かがこの制度を使おうとして営業窓口に相談した結果、窓口からも結構冷たい対応をされたこともあったと言ってました。
事業計画もきちんと作成して、自分の事業に書ける思いや意気込み、具体的な実行計画などももたせて相談してもらったのですが、融資を受けることが出来ませんでした。

日本政策金融公庫は融資した金額は必ず返済してもらう必要があることは十分認識していますが、使い勝手を改善すれば「新創業融資制度」の使用頻度ももっと上がるのではないかと感じています。

3.補助施策の質向上
⇒以前に公的機関の専門家支援制度を利用して相談したところ、相談した企業の実情とは全くかけ離れた人を紹介されたり、具体的な相談は出来ず一般的なアドバイスだけで終わって何の効果も得られなかったと言う話を支援先の中小企業から聞くことがあります。

ある公的機関では、中小企業診断士の国家資格を持った人を専門家として登録し支援を行っていますが、大企業で働いた経験しかないため、中小企業の実情を全く理解できす場違いなアドバイスをもらって当惑した話も聞きます。

もしそれが事実だとすれば、専門家の質を再検証し、真に中小企業の事業継続に役立つ人材で再登録すべきです。
私もある公的機関の相談員として中小企業支援を行っていますので、中小企業から喜ばれる専門家になれるよう努力しています。

4.公的補助金施策の見直し
⇒私は中小企業支援策の一つとして各種補助金を活用しています。
中には、起業したての企業が当該補助金施策を活用しようと窓口に相談しても、今までの実績が無いとの理由で断られるケースがあります。
しっかりとした事業計画と差異化出来る技術があっても、申請前に窓口で断られる場合があります。

真に起業家を育てその事業を維持拡大させたいなら、政府は3項や4項の改革・改善も含めて幾つかのテコ入れ策を早期に行う必要があると考えます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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