日経記事;日立,台湾/鴻海と液晶合弁 中小型で連合 に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;日立,台湾/鴻海と液晶合弁 中小型で連合 に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 海外展開
経営戦略 海外展開

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月27日付の日経新聞に、 『日立、台湾・鴻海と液晶合弁 中小型で世界首位連合 子会社の経営権譲渡、千葉に新工場』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 

『日立製作所は電子機器の受託生産で世界最大手の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と、液晶パネル事業で提携する。日立の液晶子会社に鴻海が約1000億円を出資して合弁に切り替え、千葉県に新工場を建設。鴻海が生産するスマートフォン(高機能携帯電話)向けなどに高機能パネルを供給する。両社の提携により、中小型の液晶パネルではシャープを抜いて世界シェア首位の企業連合が誕生する。

日立の液晶パネル子会社である日立ディスプレイズ(日立DP)が実施する約1000億円の第三者割当増資を、鴻海が引き受ける方向で最終調整に入った。増資は2011年度と12年度に500億円ずつ実施する予定。

日立DPへの出資比率は、日立が75.1%、キャノンが24.9%のなっている。増資後に鴻海が過半を出資し経営権を握る。日立の比率は30%程度になる。
日立DPは増資で得た資金で、千葉県にある既存工場の敷地内に新工場を建て、12年度からの稼働を目指す。

日立DPの中小液晶の世界シェアは09年度で5.9%で6位。「IPS」と呼ばれる独自の製造技術を生かしたパネルは、高精度で視野角が広く、動画を見るのに適している。感応度が高いため指で触れて操作するタッチパネルにも向いている。

新工場が稼働すると、同社の生産能力は現在の2倍以上になる。

鴻海は、アップルのiPhone, iPadの大部分を受託生産している。
液晶パネルを安定調達するため今年3月に台湾の大手メーカー、奇美電子を買収した。日立DPを傘下に収めた後製造技術を獲得し、更に量産効果を高めてコストを削減する。

奇美電子と日立DPの世界シェアは09年度で17.3%となり、シャープの16.5%を抜く。
日立DPは少量多品種の注文が多い国内の携帯電話メーカーが主要顧客であるため09年度まで5年以上最終赤字続いていた。。。』


今回の提携は、日立製作所の観点で見ますと、赤字続きの中小型液晶事業を立て直すため、台湾の鴻海と組んで世界市場で生産・出荷数量を増やしコスト削減で黒字化を目指すことにあります。集中と選択です。
鴻海は、アップル向け製品の需要拡大で生産規模を増やす必要があり、日立DPの生産施設と「IPS」技術獲得が出来ますので、両社の思惑が一致したと考えます。

国内ディスプレーメーカーは、国内の携帯電話メーカー向けに顧客ごとに異なる仕様のパネルを少量で生産してきたため収益力は大幅に低下していました。
日立は、09年3月期に国内製造業で過去最大の7800億円の最終赤字を計上していましたから、日立DPの事業再編は至上命題でした。

日立は、世界市場で中小型液晶のメインプレーヤーである鴻海に経営・生産委託することにより、赤字脱却を一気に図ることにしたと考えます。

ご存知のように、国内携帯電話事業は今までガラパゴス市場となってきたため、セットメーカーや部品メーカーは赤字などで苦しんできました。

中小型液晶市場は、各社の高機能端末需要に対する大幅な伸びを反映して急速に拡大しています。このことから日立は撤退ではなく、合弁で市場に残りながら、専門の世界企業に委託する道を選んだとみています。

上記記事は、国内市場のみに依存している場合の事業の難しさを示す例となります。
国内市場で、且つ、ニッチな市場でも他社に対して差異化可能な技術を持っていれば利益を出しながらの事業が出来ます。

しかし、国内の競争企業があり、且つ、世界市場で事業を行っている海外企業が国内に入ってきますと、国内市場だけでは生き残れません。

中小企業も同じです。
競争が激しい国内市場だけでは将来の展望が開けませんので、海外市場を開拓する必要があります。
ニッチな市場で他社との競争が無い独自技術で差異化出来る事業展開が重要です。

その様な市場は探せば必ず見つかります。
他社と連携したり専門家などの支援を受けながら、市場開拓や事業化を積極的に行うことが大事だと考えます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;"稼ぐ開発へ異才招く 基礎研究から採算重視 武田"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/03/15 09:46)

日経記事;"半導体製造装置,生き残る道は 東京エレクトロン"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/03/11 10:35)

日経記事;NEC,液晶 中国合弁に切り替え子会社株売却に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/02/26 16:21)