冬だからか、感傷的だ。

「岩井ーH」の竣工検査とオープンハウスを行った。
午前中は設計とクライアントの検査。
いくつかの修正を工務店にお願いして、
クライアントが記念撮影をしようと言うことで建物を前にしてみんなで撮影。

そして午後からは、東京から２時間近くのここまで来られる方は少ないと思うけど、
一応オープンハウス開催。

スタッフも含めて一時期１６、１７人くらいで賑やかだったけど、夕方からはさすがに誰も来ない。
千葉県の岩井海岸の目の前が海という土地で人通りもほとんどないし、日が暮れるのも早い。
２時間もスタッフと部屋の中でじっとしていると、だんだん感傷的になってくる。

一人でじっとしていると、この家にまつわる記憶が蘇ってくる。
１年半もクライアントとお付き合いして、当然いろんなことがある。
夏の暑い日に模型を持って打ち合わせとか、
東京では見られない山中で大雨の中でも打ち合わせしたっけ。
冬には工務店の見積調整と選定に時間がかかって、
半年近くもかかって春先にようやく良い工務店と巡り会えたこととか。

まあこの仕事は出来上がったら引き渡して終わりなのはいつもと一緒だけど、
こんな暗くて静かなところに２時間もいたものだから、
もう現場に通わないのかと思うと、かなり寂しくなる。

暮れと言うこともあって、学校の授業も終わったり、
忘年会で「よいお年を」なんていろんな人と挨拶しているのも原因か？

オープンハウスの時間も終わって、家に鍵をかけて、
高速バス乗り場までの足がないからタクシーを呼んで、
真っ暗のバス乗り場で３０分も待ってたら、寂しさもさらに増してくる。

救いは東京に戻って事務所に行く途中、
とても小さなフレンチらしきお店がオープンしているのを見つけたこと。

以前は弁当屋さんだったからお店は３坪くらいしかないんだけど、
外でメニューを見てたら中からお店の人が出てきた。
今日は食事をしてしまったので、その旨伝えてちょっと話しをしてたら、
先週オープンしたばかりで、休みも決めてないし、そのうちランチもやりたいとのこと。
個人の飲食店には是非がんばってもらいたいので、できるだけ通ってみよう。