日経記事『ホンダ,印合弁株800億円超で売却単独で事業拡大』考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事『ホンダ,印合弁株800億円超で売却単独で事業拡大』考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. アライアンス・事業提携
経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドザイザー 山本 雅暁です。

12月17日付の日経新聞に、 『ホンダ、印合弁株800億円超で売却 単独で事業拡大』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ホンダは16日、合弁会社のインド二輪最大手「ヒーローホンダ」の保有全株式を売却すると正式に発表した。保有するヒーローホンダの発行済み株式26%を合弁のパートナーである印財閥系企業のヒーローグループに売却する。売却額は800億円を超えるもよう。今後、ホンダは全額出資の現地法人を通じて新車種の投入を加速。生産能力を高めてインド事業の拡大を目指す。

ホンダ、ヒーローグループは同日、インドのニューデリーで記者会見した。ホンダの池史彦常務は「26年前の設立時には同じだった両社の(経営の)ビジョンが異なってきた」と説明。ヒーローグループの創業家一族でヒーローホンダのパワン・ムンジャル最高経営責任者(CEO)は「海外展開や他社との技術提携を進める」と語った。

ヒーローホンダは1984年にホンダとヒーローグループが26%ずつを出資して設立。インドの二輪車市場で約48%のシェアを握る。2009年度の販売台数は約450万台。ホンダが全世界で販売する二輪車の約3分の1を占める。

ヒーローホンダはインドのムンバイ証券取引所に上場しており、09年度の売上高は08年度比28%増の約1600億ルピー(約2960億円)、最終利益は220億ルピー(約400億円)。ホンダは09年度にアジア地域の関連会社から約900億円の持ち分法利益を得たが、このうち100億円程度がヒーローホンダ分になる計算だ。

株式の売却額や売却時期は明らかにしなかった。ホンダとヒーローグループとの売却契約の条件やヒーローホンダ株の時価から計算すると、売却額は800億~1100億円になる。

今後、ヒーローホンダは社名、ブランド名を変更する。ホンダは株売却後も合弁契約が期限を迎える14年ころまでヒーローホンダに対して技術供与を続け、一定のロイヤルティー収入を得る。

合弁解消により、ホンダのインドでの一時的なシェア低下は避けられないが、現地政府との関係づくりや商習慣を知るうえで重要だった合弁会社の意義は薄れている。むしろ全額出資で運営する現地子会社「HMSI」の経営の自由度が高まり、インドでの売れ筋車種を投入できるようになるなどメリットが大きいと判断したようだ。』


この記事の通りだとしますと、「いかにもホンダらしい」経営戦略と感じました。
今から10年から20年前に、自動車業界では国際市場で世界戦略を展開するために、事業規模を大きくしてスケールメリットを出そうとの考えから、世界的なM&Aブームが起きました。

この時、ホンダとトヨタは自主独立路線を維持し、M&Aブームに入りませんでした。
特にホンダは規模の拡大より自主独立路線でいく方針を明確化しました。

この方針発表に、何人かの経済評論家やエコノミストは、ホンダの経営規模は他の大手企業より小さくスケールメリットを出せないなどの理由から不利になると論評しました。

現在の状況を見ますと、ホンダの経営方針が間違っていなかったことを証明しています。
今の自動車業界では規模の拡大より、柔軟性が保てより有効な戦略を展開できる方法として「アライアンス:連携」が主流です。

アライアンス;連携の良いところは、「Win/Win」の関係が必要無くなれば解消できることです。
ホンダがヒーローと合弁会社を作ったのは、インド市場を開拓するためにとった手段だと考えます。
この合弁会社の二輪車シェアは約48%とのことです。

ホンダはヒーローホンダに技術供与を行ってきました。
ホンダは市場開拓と技術供与のバランスをずっと考えてきたと思います。
技術供与は敵に塩を送ることと同じで、いつかは相手先が技術力を持ち、自社の競争相手になる可能性があります。
経営ノウハウなども移管されていきますので、経営力も高まってきます。

ホンダは合弁を続けるのと、自社単独で行うやり方を比較して、合弁解消のメリットをはじき出したのだと推測します。
私の場合も同様ですが、アライアンス;連携が永遠に続くことはありませんので、来るべき解消に向けて、「メリット・ディメリットを出す物差し」と、解消時の仕組みを事前に明確にしておくことが重要です。

現地での中国市場開拓には、地元企業と折半出資の合弁会社設立が義務付けられています。日本企業は何時、どのような条件下で合弁を解消するか事前にシナリオを作っておくことが大事です。

当然、相手側から合弁解消を要求されるリスクがあります。
自社が合弁を利用して市場開拓を行うための行動計画を作り、その計画に従って行動し合弁が不要になる条件や時期を想定しておきます。この行動計画を立案・実行しておくと、相手先から合弁解消の要求が出されてもあわてずにすみます。
合弁を続ける期間について、契約書の中で「最低○○年行う」ことを規定できます。

よろしくお願いいたします。
グローバル・ビジネスマッチング・アドザイザー 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;環境都市に国産OSトロン,東大など海外展開に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/12/09 08:01)

日経記事;大塚製薬,結核治療で連携 ビルゲイツ財団 に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/05/07 10:19)

日経記事;新薬研究に社外技術 第一三共/武田,公募 に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/02/24 08:09)

日経記事『NEC,レノボと合弁 パソコン日中連合』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/01/22 17:20)

日経記事;『生活用品開発へ研究成果交換,自前改め期間短く」考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2010/12/17 09:17)