日経記事;『生活用品開発へ研究成果交換,自前改め期間短く」考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『生活用品開発へ研究成果交換,自前改め期間短く」考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月16日付の日経新聞に、『生活用品開発へ研究成果交換、「自前」改め期間短く』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『生活用品の大手企業が研究開発のオープン化に乗り出す。自社技術などを開放して外部から技術・アイデアを取り入れる手法を使い、化粧品最大手の仏ロレアルは日本法人が国内外80以上の企業・機関と提携、資生堂も世界商品を増やす。新興国市場の成長や高齢化に対応して商品開発のスピードを上げるのが狙い。

すでに米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は主力品の3分の2を新手法で開発しており、自前主義からの転換が加速してきた。

新しい手法は「オープンイノベーション」と呼ばれ、他社や大学、機関が持つ技術・特許や研究成果を基礎研究から商品開発まで生かし、開発期間の短縮とコスト抑制を狙う。包括提携・クロスライセンスや特許・技術を互いに開放したり、インターネットを通じて解決策・アイデアを発明家も含め外部から募集したりして手を組む。

仏ロレアルでは日本ロレアル(東京・新宿)が成長市場であるアジアの研究機能を統括する体制を構築した。日中の開発拠点やインドやタイでの外部との共同研究を一元管理。インク用顔料の戸田工業や韓国の化粧品大手コスマックス(華城市)といった国内外の80社・機関と、抗加齢などの世界商品を開発する。

資生堂は同手法の専門組織を設けており、これまで三菱化学の高分子技術を使ったヘアケアの世界戦略ブランド「ツバキ」などを開発した。現在は日本大学と、認知症患者の脳の血流改善に効果が期待される化粧療法の開発を進めている。

生活用品は年齢、地域ごとに消費者ニーズが多様化している。安全性が問われる化粧品やヘアケアの新商品は、すべて自社開発だと基礎研究から商品化まで10~15年かかる場合が多い。

開発しやすい成分、素材や技術はそのほとんどが発掘されたといわれる。さらに化粧品は欧州連合(EU)の欧州委員会が新成分開発を目的とした動物実験を規制。資生堂が2011年3月に実験を廃止するなど自社研究が制限される中、オープンイノベーションが有効になっている。

P&Gは年数千件の技術・アイデアの応募があり、日本法人も昨春からネットで募集を始めた。仏メーカーから抗加齢成分を導入した化粧クリームなどは新興国でもブランドが浸透し、迅速な商品投入が業績を支える構図。
ただP&Gは衣料用洗剤の中核成分である界面活性剤の開発は自前で続ける方針で、各社は対象の技術・分野を選択しながら外部連携を強化する。

総務省の国内約1万社(全産業)調査によると、企業が社外に支払う研究費(特許使用料や委託研究費)は08年度で計2兆2400億円と00年度に比べて6割増えた。産業界全般に自前主義からの転換が進みつつある。』


企業間連携の仕方は多様化しています。
一時、短期間に技術や新規事業を獲得する手段の一つとして、M&Aが積極的に採用されました。自動車や製薬などの業界が代表的な例です。

しかし、M&Aは、必要とする技術や製品などを短期間で獲得できないリスク(例えば主要なエンジニアや研究者が辞めてしまうことや、想定した技術の再評価の結果が期待通りでないなど)があります。
M&A後にその様な事態に直面した場合、短期間での解決は困難です。

M&Aは言わば結婚みたいなもので、通常「嫌いになったから即時に離婚する。」的なことは簡単にできません。

連携は、その観点から見ますと上記リスクを負わずに柔軟に対応できるメリットがあります。

上記記事の例は、 「オープンイノベーション」 と言われる手法で、2000年代前半にヘンリー・チェスブロー米カリフォルニア大学バークリー校教授が提案したもので、一種の技術アライアンスです。
自社の技術リソースと他社のリソース」を有機的に組み合わせて、開発・新事業展開を行うものです。

技術革新や経済環境の変化が急速で進む中、他社との連携・提携で開発期間を短縮し、共に新事業をエンジョイしようという考えです。

連携の仕方は記事にある通り色々あります。
自社から連携を仕掛ける場合、自前でのコア技術資源確保、他の必要な技術の洗い出し、相手先の探し方や連携の組み方(特許の扱い、ライセンス料率や条件など)をきちんと整理して行う必要があります。

相手先が魅力的に感じる条件提示が「Win/Win」関係構築の決めての一つになります。
計画をきちんと立てて迅速に実行することが大事です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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