ヴィクティム状態にある従業員の対応方法「ヴィクティム面談」 - 病院施設の教育と人事・採用 - 専門家プロファイル

原 聡彦
合同会社MASパートナーズ 医業経営コンサルタント
大阪府
経営コンサルタント

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対象:医療経営

原 聡彦
原 聡彦
(経営コンサルタント)
中井 雅祥
(求人とキャリアのコンサルタント)

閲覧数順 2024年04月24日更新

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ヴィクティム状態にある従業員の対応方法「ヴィクティム面談」

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今回のコラムはヴィクティム(被害者意識・ネガティブな考え)状態にある従業員の対応方法について私の実践事例からお伝えしたいと思います。

私が会社に勤務していた時代、マネージャーとして賞与支給前に20名~25名ほどの従業員の面談を行っていました。この面談の時期は正直、ストレスを溜め込む時期でもありましたが、今回、お伝えする面談の型を使うことで、ヴィクティム傾向にある従業員の不満ばかりを聴くだけではなく、そのスタッフに期待したいことを伝え、次の面談までやるべきことを明確にする場に変えていくことができましたので紹介させて頂きます。

私はこの面談を「ヴィクティム面談」と呼んでいました。

ヴィクティム面談の型は簡単に言うと、セットアップ→振り返り→共感・承認→フィードバック(助言も含む)→目標の共有をしていました。

以下、ポイントをお伝えします。

ポイント1.セットアップ
個別面談は聴く事を80%程度 共感 15% フィードバック5%ぐらいという配分でやっておりました。たしかに聴く事は大切なのですが、ゴールセッティングのない会話は、とりとめのない会話に終わってしまいがちです。
また、かなりの時間を要することになります。長い人(ヴィクティム度の高い人)は2時間ぐらいかかっておりました(終わった後は脱力感でいっぱいになります)。

ヴィクティム面談は、単なるカウンセリングや身上相談ではないので、対話のゴールを最初に決定いたします。したがって、まずは面談のゴールをスタッフにお伝えするセットアップから始めることで面談の生産性は上がり、対話の時間が大幅に短縮されます。

例:最近、仕事の失敗が多いスタッフ(明らかにヴィクティムに傾いているスタッフ)には、「最近、○○なわけなんだけど、きっと○○さんにも不満があることだと思う。そこで是非、○○さんのお話聞かせてほしい。そして面談が終わるときは○○さんの仕事上の目標を決めて、一緒に頑張っていけたらと思う。」というような会話になると思います。


ポイント2.行動の振り返りから対話を広げていく(振り返り→共感・承認→フィードバック→目標共有)
従業員と何を話していいかわからなかった私は、まず、スタッフに、この半年の振り返りをしてもらっておりました。次の手順で質問することで、スタッフは話しやすくなっていたように思います。

1.この半年どのように活動したか
2.何が成果か
3.できなかったことはないか
4.どのようにしたらよかったか

上記の四つの質問のゴールとするところは、行動の振り返りにもとづき今後の行動を鮮明にすることです。スタッフに仕事の振り返りをさせることで成功と失敗を踏まえて今後の行動内容をスタッフにイメージしてもらうことが狙いです。そして、「成果やできた事に対する承認」をしながら、クリニックとしてサポートできることを伝え、今後の目標を共有していくということになります。

以上がヴィクティム面談のポイントです。ヴィクティム面談は正直たいへんですが、上記のポイントを踏まえて面談を実施することで対話が広がりヴィクティム傾向にあるスタッフとも前向きな話ができましたのでご参考にして頂ければと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。
感謝!

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