「家から生まれた17の話」(萩原百合/ラトルズ)を読む - コラム - 専門家プロファイル

高安 重一
有限会社アーキテクチャー・ラボ 代表取締役
東京都
建築家
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「家から生まれた17の話」(萩原百合/ラトルズ)を読む

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著者の萩原百合さんは
建築家:増沢洵の自邸である、建坪9坪の「最小限住宅」をリメイクした
「スミレアオイハウス」の住人。

「スミレアオイハウス」は11年前に竣工したときに、
ご主人の萩原修さんの案内で見学させていただいた。
その日は雨だったけれど、
我々にとって教科書に出ていた「最小限住宅」を体験させてもらった貴重な機会。
しかも小泉誠氏のリメイクという、建築では他に例がない試みで衝撃を受けた。

この本は、この家に住むようになって出会ったものづくりの人たちとの記録のような本。
自転車づくり、匙(さじ)屋(こんな職業あるのか?)、紙漉職人、木工家、
うるし職人、折型デザイナー(これも初めて知った職業)、竹の道具づくり、作陶家、などなど
インタビューを通じて紹介しているが、とにかくその人達の人柄が伝わる。

高齢者の人の家はいままで馴染んだ生活があまり変わらないように設計したいと思っているが、
それでも家を作ることで生活が変わるってことはあると思う。
特にこの9坪ハウスは最小限住宅である。
生活の仕方から見直さないと、現在の暮らしをそのまま継続するというわけにはいかない。

そしてこの住宅の設計・建設プロセスを全て見てきた住人は、
自分の家を愛するようになるし、
住み始めてからもこの家のために必要な家具や小物を揃えようとする。

そんな中で出会ったデザイナーや職人との交流がこの本まで生み出したことになる。
もちろん萩原百合さんがこの本を作ったことには間違いないのだけれど、
家の持っている影響力の大きさにも着目したい。

そしてどんな家でも良いというわけではなく、
9坪という大きさが生活を見直して、
生活を大切にしていくことに向かわせたのではないかという仮説を立ててみる。

いまも55m2のマンションで家族5人が暮らせるようなリフォームの依頼があって、
それこそ何が大切かを見極めないといけないと考えていたところ。
そんな住宅で生活することで、全てがいいように変わっていくことができたらいい。

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