- 小林 良
- 一級建築士事務所 DESIGN-SPEC 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
住まいを考えている方の中には、「住宅購入」というフレーズに、一切の疑問を持たない人もいるのではないだろうか?
「家を買う?」
家とは、いったいいつから「商品」になったのだろう。簡単に言えば、住宅ローンとハウスメーカーが出てきてからである。
住宅展示場を巡って、気に入った間取りや外壁やインテリアを見て、「こんな感じがいいわね」と家族団らん。
「ご主人、今ならキャンペーン中で、ローンの金利が○%安くなりますよ。さらに、特別にカーテンや照明器具もおつけしますよ」と言う営業マンの提案を聞いて、これはお得だと、ハンコを押して「ハイ、契約」。
もちろん、いろいろ思案は巡らすであろうが、これでは、巷のショッピングとなんら変わらないではないか。
おかしな話だが、こうやって家を「買って」いる方たちが本当に沢山いる。
で、この大量消費社会よろしく、契約後は、あれもこれも「追加・オプション、有料です」といった具合で、まったくもって融通が利かない。建て売りなら当然、注文住宅だとしても、プランの練り直しなどは難しいのが現状だ。だって、契約したのは「家」という商品だから。
元来、家とはそういうものじゃない。買うことが目的ではなく、これから「使って」いくことが目的なのだから、契約時点で決まっていて、以降変更がきかないというものであってはならない。
ではどうすればいいのか。
(2)につづく。
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