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日経記事;米P&G,商品の共同開発3倍に拡大 PBに対抗 に関する考察

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月28日付の日経新聞に、『米P&G,商品の共同開発3倍に拡大 小売のPBに対抗』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主内容は以下の通りです。

『米日用品最大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、競合メーカーを含む他社との間で商品の共同開発を拡大する。共同開発商品の年間売上高を5年後に現在の3倍になる30億ドル(約2400億円)に引き上げる計画。消費者の節約志向で世界的に安売り競争が加速する中、商品の付加価値を高めて収益を確保する。

約150社・団体のメーカーや研究機関の開発担当者を招いた会合で27日、明らかにした。「有力パートナーと技術や知恵を出し合えば(商品の)成功率が高く、商品化までの時間を短縮できる」(P&Gのボブ・マクドナルド最高経営責任者=CEO)とみて、外部の経営資源を活用する商品開発を強化。安さを売り物にした小売業のプライベートブランド(PB=自主企画)商品に対抗できる高機能商品の開発を加速する。

特許など自社技術を他社に開放し、商品化の利益を分け合う「オープン・イノベーション」はP&Gが掲げる戦略。技術提携による商品の売上高は現在、全体の1.3%の10億ドルで、これを2015年に30億ドルに増やす。世界の消費者がP&G製品に支出する平均額は年間で1人あたり12ドルだが、15年には14ドルに高めるという目標の達成も目指す。

米化学大手デュポンや独化学大手BASF、米日用品コルゲート・パルモリーブなど競合メーカーや大学などの研究機関が多かった提携相手の幅も拡大。バイオベンチャーや中小企業などにも積極的に開放していく。商品そのものだけでなく、容器やパッケージなどでも技術提携を増やし、革新性を強める考えだ。

P&Gは研究開発(R&D)を重視し、年間で約20億ドルをR&D投資に充ててきた。
現在、1年間に発売する新商品の約6割は技術提携によるもの。代表例は従来より大幅に薄くしながら乾燥性を高めた紙おむつ「パンパース・ドライマックス」や、汚れを落とす能力を高める一方で衣類を傷めにくい洗濯用洗剤「タイド・トータル・ケア」などだ。値段はやや高い場合もあるが、機能の高さが支持されて売れ行きはおおむね好調で、特に日用品市場が伸び悩む先進国で伸びが高いという。

ブランドに強みを持ってきたP&Gだが、足元では原材料価格の高騰に伴うコスト増や、小売企業による値下げ競争やPBの拡大などで収益を圧迫されている。10年7~9月期は純利益が前年同期比6.8%減の30億8100万ドルとなった。』


P&Gの連携のやり方は、私の知っている限り、国内の大手企業では行っていません。
スケールの大きい連携だと思います。

P&Gは、先進国で圧倒的なブランド力を持っています。
また、R&Dを重視し、年間約20億ドルを使って多くの技術を特許化しています。

P&Gは、このブランド力と特許を自社事業のプラットフォームとして活用しています。
P&Gは、特許を「Win/Win」の関係が成り立つ他社(競合他社を含む)まで開示して、共同で開発を進め、開発期間とコストを圧縮し、高付加価値商品を送り出します。

この商品は、P&Gブランドで販売され、特に先進国で好調に売れているようです。
高付加価値商品で値下げ競争やPB商品と対抗していく戦略です。

上記記事にある、『商品化の利益を分け合う「オープン・イノベーション」』は利益の折半を意味しているとすれば、競合他社にとってもうまみがあり、「Win/Win」の関係が容易に成り立ちます。
共同開発した商品が確実に売れるのであれば、他社は開発資金の回収を容易にできます。

連携は、M&Aや資本提携と異なり、お金の動きや組織の融合など複雑な手続きやエネルギーを使わないで、「Win/Win」の関係が成り立つ相手と気楽に動ける手段です。
しょうしょう極端に言いますと、「Win/Win」の関係が成り立たないと判断したら、さっさと連携を解消できます。

連携を行うには、自社の強さや魅力を持つ必要があります。
これらがないと、相手側は連携を組む為の条件である「Win/Win」の関係を確認できません。

P&Gの場合は、ブランド力と特許開示を含む技術力です。

中小企業の場合も同じで、他社と連携を組むには自社が提供できる「強み」が必要です。技術力、販売力、サービス力などの分野で強みを持っている必要があります。

また、連携の維持・強化もかなりの専門性、エネルギー、時間、コストを使うので、これらの点を考慮して実行する必要があります。
P&Gの場合は大手企業ですので、担当役員や専任スタッフを抱えることが出来ます。

中小企業の場合は、P&Gと同じようにできないので、社長が自ら行うケースが多いですね。
私も連携の専門家の一人として複数のプロジェクトを支援しています。

私の経験では、中小企業の場合、異業種他社で各企業が強い専門性を持っていることが、連携を効果的に行える条件の一つです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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