- 廣瀬 ちえ
- CHIE'S KITCHEN 代表
- 愛知県
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
和菓子の魅力 part2 和菓子の種類について
日本には様々な種類の和菓子が、古くから受け継がれています。大福にお団子、あられや豆菓子…大きく「和菓子」という名前で括られている日本のお菓子ですが、実は水分量によって細かく分類されていることをご存知でしょうか?水分量が40%以上のもの(羊羹に関しては30%以上)を「生菓子」、10~30%のものを「半生菓子」、水分量が20%以下のもの「干菓子(乾菓子)」と、それぞれ呼んでいます。
<生菓子>
・もち菓子
もち米、うるち米およびその加工品を主原料として製造されるもの。おはぎ・赤飯・大福餅・道明寺・柏餅など。
・蒸菓子
調整生地を成形し、蒸し上げて製品とするもの。じょうよう饅頭・かるかん・ういろう・ゆべしなど。
・焼き菓子
焼く方法によって平鍋もの・彫型もの・流し込み型もの・オーブンものなどに分類される。通常は火床を使用して焼き上げるものを平鍋もの、密閉式の焙焼窯やトンネル窯で焼き上げるものをオーブンものが多い。平鍋ものとして、どら焼・桜餅・金つば・つやぶくさなど。オーブンものとして、栗まんじゅう・月餅(げっぺい)、カステラなど。
・流し菓子
寒天、砂糖および餡を主材料とした流動状の生地を型に流して成形したもの。きんぎょく・羊羹・水羊羹など
・練り菓子
あんやもち粉を材料とし、つなぎや砂糖を加え、強くもみ、こね、練り上げて生地とし、成形してすぐに仕上げるもの。練り切り・こなし・求肥など
・揚げ菓子
油で揚げたもの。あんドーナツ・揚げ月餅など
<半生菓子>
・あん菓子
餡子で作られたもの。石衣など。
・おか菓子
別に調整した製品やその他のものを組み合わせて造形したもの。最中、鹿の子など。
・焼き菓子
焼く方法によって平鍋もの・彫型もの・流し込み型もの・オーブンものなどに分類される。通常は火床を使用して焼き上げる平鍋もの、密閉式の焙焼窯やトンネル窯で焼き上げるオーブンものが多い。平鍋ものとして、茶通など。オーブンものとして、桃山・黄味雲平など。
・流し菓子
各種の応用仕上げを組み合わせて生菓子のものより日持ちを良くしたもの。きんぎょく、羊羹など。
・練り菓子
あんやもち粉を材料とし、つなぎや砂糖を加え、強くもみ、こね、練り上げて生地とし、成形してすぐに仕上げるもの。求肥など。
・砂糖漬け菓子
小豆や菜豆類など豆類を原料とした甘納豆・果実・野菜類・昆布などを砂糖でつけたもの甘納豆・文旦漬など。
<干菓子(乾菓子)>
・打菓子
みじん粉・煎り麦粉・栗粉・きな粉などの粉類と砂糖に、しとり用のシロップを加えて揉み混ぜ、好みの木型に詰めて形成したのち打ち出し、表面に軽く蒸気を当て、乾燥して仕上げたもの。落がん・懐中しるこなど。
・押し菓子
打ち物に使用する材料に練り餡や特徴づけの副材料を配合し、ようかん舟・とい舟・木枠などに型崩れしない程度に押し付けて成形して仕上げたもの。塩がま・むらさめなど。
・掛け菓子
炒った豆やビスケット・リン種・あめ玉・ゼリー栗などをセンターとしてシロップやチョコレートなどをかけ、せおのままあるいは艶付け、焙煎して仕上げたもの。ひなあられ・おこしなど。
・焼き菓子
生菓子、または半生菓子の焼きものと同様の材料を適宜配合して、水種・絞り生地・展延生地を調整成形、焙焼してパリッと仕上げたもの。丸ボーロ、小麦せんべいなど。
・あめ菓子
砂糖を原材料として水飴を少量加えたもの、あるいは水飴を主として砂糖を少量加えたもの。また、煮詰めてから静かに冷却、透明な状態にしたものや、ある程度冷却して強く引き、白い引き飴状にしものを着色したもの。翁飴・千歳飴など。
<その他の和菓子>
上記の3分類以外にも、様々な用途で使われている和菓子があります。
・並生菓子
日常の茶うけ菓子として親しまれているもの。年間の行事に使用するもの、季節的なものなどがある。
・上生菓子
上等で高価な生菓子類。各種の仕上げ方法を使い、山水や花鳥を表現したもの、或いは抽象的な形やデザインで仕上げられる。
・茶席菓子
茶会に用いる菓子類。濃い茶には「主菓子」という生菓子、薄い茶には「添え菓子」という干菓子を用いる。
・式菓子・引菓子
慶弔諸事の引き出物に供される菓子類。
・まき菓子
舞踊・長唄・清元・小唄・琴などの発表会に土産品として用いる菓子類。
・工芸菓子
鑑賞用の菓子。食用可能な菓子用生地や製菓材料だけを使用して作る。高度な技術を駆使し、山水花鳥風月などを写実的に表現する。
華麗で繊細な和菓子の命は、その美しさにあります。舌だけでなく目でも、ゆっくりと愛でながら味わっていきたいものです。また、和菓子には日本茶を合わせる方がほとんどかと思いますが、実は珈琲や紅茶、その他の飲み物とも意外と相性が良いのも魅力的です。
味わい方によって趣が変わる和菓子。自分だけの食べ方をを探していただくのも、楽しみ方の一つになるのではないでしょうか。
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