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日経記事;『自動車再編に見る連携のやり方と狙う効果』について

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経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月17日付の日経新聞に、『自動車再編 緩やかな連携 主流に』のタイトルで記事が掲載されました。
連携は、私の専門分野です。
本日はこの記事に関して、連携に関する考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『米フォード・モーターは、11%所有するマツダ株を売却する。しかし、マツダはあくまでフォードとの提携を軸に生き残りを図る考えのようで、“緩やか連合”で関係を進展させる。

マツダがフォードと新型車の共同開発を進めるほか、新たな業務提携を模索するなど「戦略的提携関係」具現化に向けアクセルを踏み込んでいる。

かって自動車業界は、M&Aを積極的に進め規模の拡大を進め、上下支配構造の関係を強化してきた。現在は、独立する企業同士が分野ごとに補完し合う「緩やかな連携」が大きな流れになってきた。
例えば、2000年前後は独ダイムラーと米クライスラーが合併するなど、国境をまたいだ大型再編が相次いだ。規模を圧倒的な水準に引き上げ、世界市場を制覇する狙いがあった。

トヨタ自動車とマツダは3月29日に、トヨタがマツダにハイブリッド車(HV)の技術ライセンスを供与することで合意したと正式発表した。
マツダは、開発を進めている次世代エンジンとトヨタの技術による装置を組み合わせたHVを2013年までに発売する方針だ。

スズキと独フォルクスワーゲン(VW)との提携や、仏ルノー・日産自動車連合と独ダイムラーとのケースでも、出資比率を抑え、プロジェクトごとの連携強化を目指している。。。』


自動車業界で、「緩やかな連携」が主流になってきた背景は以下の通りと考えます。

1.大規模化の象徴であった独ダイムラーと米クライスラーの合併は、完全な失敗事例となりました。
失敗した理由は幾つかあげられています。その一つに、企業文化や意志決定方法などの決定的な違いがあったと言われました。

当時は、そのような違いがあっても垂直統合して規模の拡大を図り、コスト削減効果でクライスラーの競争力を向上させようとしたのです。
しかし、社内融和が上手くいかず、破たんの理由の一つとなりました。

2.内燃機関のエンジンは、各自動車メーカーの心臓部分となる重要な部品で、このノウハウは自動車の競争力の源泉となり、自社グループ内で調達し、他社に供給しない垂直統合の典型でした。他の主要部品の扱いも同じでした。

3.HVや電気自動車(EV)の場合、電池、モーター、充電器、インバータ、充電コネクタなどが主要部品になります。
これらの部品は、もともと、自動車業界以外のところで開発・供給されてきました。

自動車メーカーから見ますと、HVやEVを作るのに最適な部品を使用して競争力の維持向上を図る経営のやり方が柔軟で最適な方法になります。

技術が日々進化していますので、M&Aによって関係会社と垂直統合を行うと、経営のやり方が制約されます。
自動車メーカー同士でもその時の状況によって組む相手を自由に変えられる方法を選びます。

対象市場や車種によって自動車メーカーの組む相手を変えて、売上拡大やコスト圧縮を図ります。

4.部品メーカーにとっても、自社の製品を複数の相手先に柔軟に売り込める経営のフリーハンドを確保しておく方が効果的・効率的な事業運営が可能になります。

HVやEVの技術ノウハウは、家庭向け商品やスマートグリッドなどの他業界に転用可能です。
当然、自動車メーカーによる経営のフリーハンド制約は望みません。

このように、自動車メーカー同士や部品メーカーとの関係は、“Win/Win"の関係が構築できる相手と柔軟に連携する関係が主流になっています。

中小企業も大手企業の連携のやり方は、大いに参考になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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