製造業の労務管理(1) - 人事労務・組織全般 - 専門家プロファイル

西川 幸孝
株式会社ビジネスリンク 代表取締役
経営コンサルタント

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対象:人事労務・組織

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製造業の労務管理(1)

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業種別労務管理のポイント 製造業の労務管理

製造業では、1年単位の変形労働時間制を採用している企業が一般的です。ゴールデンウィークや夏期などに長めの休みをとり、その分他の時期の労働時間を多くし、1年を平均して週40時間労働を実現する合理的な方法だからです。

1年単位の変形労働時間制を導入するには、対象となる労働者の範囲、対象期間、対象期間の起算日、労働日および労働日ごとの労働時間などについて労使協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。 なおこのしくみは、原則として満18歳未満の年少者、妊産婦には適用できません。

製造業の場合、労働時間管理が比較的厳密に行われていると考えられますが、昨年12月にトヨタ自動車の元従業員の死亡は過労死だったとする名古屋地裁判決は、製造業の労働時間の概念をさらに変えるものとなりました。この判決では、QC活動は、「事業活動に直接役立つ性質のもので、使用者の支配下における業務である」と認定されました。

生産現場の従業員がグループ単位で改善提案に取り組むQCサークル活動は、多くの製造業の現場で行われている活動で、自主的な活動とされているため、一般的には残業代支払いの対象とはなっていませんでした。しかし、トヨタ自動車ではこの判決を受けて、QC活動に対しても、残業代支払いの対象とすることを決めました。この裁判例とトヨタ自動車の方針転換は、多くの製造業に影響を与えるものと考えられます。

朝礼や体操についても、労働時間かどうかの判断については、参加が強制されているかどうかがポイントとなります。明確な指示がなくても、不参加だと不利益がある場合や、参加が黙示的に指示されている場合は、労働時間と判断されることになりますので、注意が必要です。

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