- 廣瀬 ちえ
- CHIE'S KITCHEN 代表
- 愛知県
- 料理講師
対象:料理・クッキング
- 黄 惠子
- (料理講師)
旬の野菜でベジフルビューティpart1 サツマイモ
「実りの秋」に採れる野菜での中で人気の高いものと言えば、「サツマイモ」が筆頭に挙がるのではないでしょうか?甘くてホクホクとした食感は、特に女性が好む食材として、昔から現代に至るまで不動の地位を確立しています。また、おかずにもお菓子にも使える幅の広さも人気の理由として挙げられるでしょう。今回はそんなサツマイモについてお話をします。
サツマイモの旬は9月から10月。原産地は中央アメリカですが、日本には江戸時代に伝わり、現在では全国各地で栽培されるようになりました。
●サツマイモの品種
・ 紅あずま
最もメジャーな品種です。赤い皮と黄色の果肉で甘みが強く、料理にもお菓子にも大活躍します。
・ 紫いも
中身が紫色の品種の総称。紫色の部分にはポリフェノールの一種であるアントニンが含まれ、老化防止・視力・肝臓機能の向上などの効果があります。紅あずまと比べて甘みは少ないですが、鮮やかな色がお菓子の材料として人気のある品種です。
・ 安納芋
種子島特産の品種で、ねっとりとした強い甘みがあります。オレンジ色の果肉がかぼちゃのような味わいです。
●女性の「美」を作るサツマイモ
味と食感が魅力的なサツマイモ、実は抜群の栄養価を持つ野菜でもあります。豊富な量のビタミンB1・B2ナイアシン・ビタミンE・カリウム・βカロチン・ビタミンCを含んでいて、栄養価の高い玄米と野菜サラダを一緒に食べるのと同じ効果があるのです。つまり、穀類と野菜の栄養をあわせ持っているとも言え、その栄養バランスの良さから「準完全食品」と呼ばれています。
サツマイモは、美肌を目指す女性の強い味方。コラーゲンの形成やメラニン色素の沈着を抑制するビタミンCが、りんごの10倍以上含まれています。さらに、熱に弱いビタミンCをでんぷんが膜を作って守ることで、壊さずに体内に吸収することができるのです。他にも、「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEとの相性も抜群。ビタミンEは過酸化脂質が体内にできるのを抑制し、細胞の老化を遅らせて若々しい肌を保ってくれるので、更に美肌効果が高まります。
更に、女性に多い便秘やむくみにも効果大。豊富に含まれる食物繊維が、腸を刺激して便秘を解消します。更に、サツマイモ切った時に出てくる白い液体には、「ヤラピン」という成分が含まれ、便を軟らかくして便通を良くする働きがあります。腸が整うと肌も美しくなるといううれしい効果も。また、体内も余分なナトリウム(塩分)を排出する「カリウム」が多く含まれ、むくみ解消にも効果的です。
●サツマイモの選び方・食べ方・保存方法
サツマイモを選ぶコツは、皮の色が鮮やか・張りがある・でこぼこがない・ひげ根がない・傷や黒ずみがない・中央がふっくらしている、などです。
サツマイモの皮の近くには、肉質の約5倍濃度のカルシウムとクロロゲン(活性化酸素を取り除く)が含まれているます。できるだけ皮ごと食べるのがおすすめです。また、皮をむく場合は加熱してからにしましょう。
サツマイモは寒さに弱い野菜です。新聞紙に包んで室内の風通しの良い場所で保存しましょう。寒い場所に放置したさつまいもは、指で押すとずぶずぶと崩れるように腐ってしまいます。冷蔵庫などでの保存は避けましょう。
●サツマイモは、2度おいしさを楽しめる野菜
サツマイモにはおいしく食べるタイミングが2回あるのを知っていますか?収穫したてのサツマイモを食べるもの新鮮で良いのですが、2ヶ月ほど貯蔵して水分を飛ばすと更に甘みが増しておいしくなります。一回の収穫で2度おいしい時期がある、お得な野菜なのです。
●石焼き芋はなぜ甘いの?
甘さの秘訣は主成分の「でんぷん」。加熱されることで甘みが強くなります。これは、βアミラーゼという酵素が加熱時にでんぷんを分解し、甘みの強い「麦芽糖」に変えるためです。麦芽糖ができる温度は60~80℃。この時間が長ければ長いほど甘みが強くなります。石焼き芋は60度より少し高めの石の中に埋めてじっくり加熱するので、甘くて美味しくなるのです。ご家庭で作る場合は、濡れた新聞紙とアルミホイルでサツマイモ包み、160℃のオーブンで90分ほど、じっくり時間をかけて焼き上げると良いでしょう。
●おいしいサツマイモレシピ カラフルおいもごはん
黒米入りの玄米ご飯に、紫芋の紫色と紅あずまの黄色がカラフルなレシピ。お弁当やおもてなしにもピッタリな、秋満載のご飯です
(材料 4人分)
・ 玄米…2合
・ 黒米…大さじ1~2
・ 紫芋…中1/2本
・ 紅あずま…中1/2本
・ 酒…大さじ1
・ 塩…小さじ1
・ 昆布…5cm
・ 白ごま・黒ごま…適量
(作り方)
1.玄米は拝み洗いをする。圧力鍋に玄米・黒米・酒を加え、玄米の1.3~1.5倍の水を加える。
2.紫芋と紅あずまを皮のまま1cm角に切り、1.の中に入れる。
3.昆布と塩を加え、強火にかける。圧がかかったら2分待ち、弱火に落として28~30分炊く。
4.火を止め、圧が抜けたらサツマイモが崩れないように下から上へやさしく混ぜる。白ごまと黒ごまをかける。
(ポイント)
・ サツマイモに含まれるビタミンCは水溶性のため、水にさらさずそのまま調理しましょう。
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