せいさつ(068)採用面接 学生に黙らせられた面接官 - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

中沢 努
パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー 代表
東京都
コンサルタント・研修講師・講演講師

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対象:人材育成

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せいさつ(068)採用面接 学生に黙らせられた面接官

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せいさつ 070~061


学生を対象とした新卒向けの採用面接が行われた。

通り一遍のやり取りが済んだあとで、面接官が言った。

「さっきの志望動機ですが、ちょっと抽象的に聞こえました。もう少し具体的に説明してくれませんか?」
 …学生は緊張しながら懸命に志望動機を説明した。

「次に、あなたの長期的な将来像をお聞きします。どんな職業人生を思い描いていますか?」
 …緊張がほぐれたのか、学生はちょっとリラックスした様子で自分が思う将来像を話した。

「では話題を変えて。少子高齢化の問題をどう捉えていますか?」
 …学生は再び緊張し、カバンにしまってあった自作の想定問題集を必死に思い出しながら答えた。

面接官は「うーん、答弁書を読んでいるみたいに聞こえる」と感じ、「話しが抽象的、自分の言葉で語る能力は高いとはいえない」とメモした。

そして言った。
「そろそろ面接を終了しますが、何か質問はありますか?」

学生はこう質問した。

『御社の「会社だけでなく社会に貢献できる人材を、そして自分で考え/自分の言葉で意見を言う人材を求めています。厳しい言い方をすれば、そうでない人はいてもらっては困るのです」という考えは素晴らしいと思っており、私自身もそのような人材になれるよう御社で自分を磨いていきたいと考えています』
『ただ社会人経験がないため、イメージがわきません。特に「会社と社会の両方に貢献する人材」という部分が分からないのですが、例えばどういう人のことをおっしゃっているのでしょうか?』

面接官は一瞬であるが、黙ってしまった。
今度は面接官が緊張し、必死に答える番だった。

面接官の答えは新聞や雑誌でよく見るフレーズそのものであり、「具体的」とも「自分の言葉で語っているとも言えない代物だった。

(中沢努「思考のための習作」から抜粋)

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