- 青木 恵美子
- AAプランニング 代表取締役
- 神奈川県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
日本の住まいは、靴を脱ぎ畳に座る 座の文化 でした。
卓袱台をだしてご飯を食べ、それをしまって布団を敷いて寝る。
つまり多目的に使える 畳の座文化 で、家具をあまり持たずデコレートより''簡素にしつらえる''ことが美徳とされていました。
それが、戦後一般家庭にも椅子・テーブルという家具が入り布団からベッドの生活が一般的になりました。
近年私たちを取り巻く生活そのものが色々と変化していています。
情報機器、輸送機器の発達によって、世界各国どこでも同じ情報を手に入れることが可能になり、指一本でいろんな事がコントロールできるような安全で便利な生活ができるようになりました。
しかし、本当に便利な事がいいのでしょうか?
生活全てを便利にしていいのでしょうか??
家事のさまざまな事がピッピッと指一歩んでできることは高齢者の生活やまた安全にもつながり、便利が効をもたらしいい事であると思います。
しかし情報ばかりが先走りしリアリティーを欠くと便利さが害にもなります。
情報機器ばかりに囲まれて育った子供が、現実とバーチャルの世界の区別がつかなく
事件を引き起こしているのも現状です。
昔をただ懐かしむというノスタルジー感覚だけでなく、
本物の木のぬくもり、手触り、香りなどを知る事は人間の五感を発達させる事であり、
こんな時代だからこそ大切なのではないでしょうか?
光がもたらす時のうつろいを感じ、
風が運ぶ緑や潮風の香り、
鳥のさえずりを楽しみ、
肌に感じる風の心地よさを感じる生活。
これが 五感を感じる生活 だと思います。