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対象:特許・商標・著作権
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不正行為に基づく抗弁の成立要件
~自社関連出願の「重要性」と「欺く意図」~ (第1回)
Shanghai Meihao Electric Inc.,
Plaintiff Appellee,
v.
Leviton Manufacturing Company, Inc., et al.,
Defendant-Appellant.
河野特許事務所 2010年9月10日 執筆者:弁理士 河野 英仁
1.概要
米国においては米国特許商標庁(以下、PTOという)に対する誠実義務が求められており、発明者等が特許性に影響を与える先行技術を知っている場合は、これを隠すことなく、PTOに提示しなければならない(規則1.56)。そしてこの誠実義務に違反した場合、不正行為(inequitable conduct)があったとして特許権の行使が不能となる*1。
被告側が不正行為に基づく抗弁を行う場合、
(i) 特許権者側が提出しなかった情報が「重要(material)」であること、及び、
(ii)PTOを「欺く意図(intent to deceive)」があったこと
の2つを立証する必要がある。
本事件においては、同一譲渡人による関連出願の情報及び訴訟情報をPTOに対し提示しておらず、これらの情報は「重要」と判断された。しかしながら、「欺く意図」はなかったとして、不正行為があったと判断した地裁の判決を無効とした。
2.背景
(1)Germain出願
Leviton(以下L社という)は、2003年10月漏電ブレーカに関する10/690,776特許出願(以下Germain出願という)を行った。この出願は2003年2月になされた仮出願を基礎とする出願である。図1は関連出願の経緯を示す説明図である。Germain出願はGermain氏らを含む、計5名が発明者として記載されていた。
図1 出願経過を示す説明図
(2)継続出願*2に係る766特許
6ヶ月後の2004年4月、L社は同じく漏電ブレーカに関する10/827,093特許出願を行った。後に当該出願は、U.S. Patent No. 6,864,766特許(以下、766特許という)として成立した。766特許は6,246,558特許の第3世代の継続出願である。図2は766特許の漏電ブレーカの外観を示す説明図である。
(第2回へ続く)
図2 766特許の漏電ブレーカの外観を示す説明図
558特許の原出願は、1999年8月に出願された。766特許はこの優先日を主張している。558特許及び766特許の発明者はPTOに対し、各自がクレームされた発明者であることを示す宣誓書を提出していた。
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