2010年廃棄物処理法改正の解説(1)帳簿の備え付け - 企業のコンプライアンス - 専門家プロファイル

尾上 雅典
行政書士エース環境法務事務所 
大阪府
行政書士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:企業法務

尾上 雅典
(行政書士)
小竹 広光
(行政書士)

閲覧数順 2016年12月02日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

2010年廃棄物処理法改正の解説(1)帳簿の備え付け

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 企業法務
  3. 企業のコンプライアンス
法令改正 2010年 廃棄物処理法改正

今回から、政省令の改正案を踏まえながら、改めて2010年廃棄物処理法改正の内容を一つずつおさらいしていきます。

第1回目は、政省令の改正のみで実現した、帳簿の備え付け義務の拡大についてです。

 

2010年4月1日から、下記に当てはまる事業者にも、産業廃棄物処理に関する記録を帳簿に記載することが求められることになります。

1.産業廃棄物が発生する事業所の「外」で、自らその産業廃棄物の処分を行う(排出)事業者

2.産業廃棄物が発生する事業所「内」に、小規模(=設置許可の対象とならない規模)の焼却施設を設置し、自ら焼却を行う事業者

 

「1」は、自社の拠点から排出される廃棄物を、別の拠点に移動させて自社処分している排出事業者のことです。

「2」は、自社の拠点に、事前の設置許可が必要ない小規模な「焼却施設」を設置し、それで自社処理している排出事業者のことです。

 

法律改正に先立つ「廃棄物処理制度専門委員会」で示された環境省の原案では、「すべての」小規模処理施設を置く(排出)事業者に対して、帳簿の作成を義務付けたいとされていましたが、

政省令改正案が公開される段になると、「事業所外で処分」あるいは「焼却施設を置く」(排出)事業者のみが対象と、かなりトーンダウンした感があります。

 

法律上は、産業廃棄物処理施設というのは、廃棄物処理法第15条の条件に該当する施設のみですので、小さな能力しか発揮できない設備の場合は、産業廃棄物処理施設に該当しないことになり、事前に設置許可を取る必要がありません。

最近は、排出事業者が自ら簡易な圧縮機械を導入するなど、廃棄物の削減(減量)の流れが強くなリ始めています。

環境省は、その流れをもっと強めたいと思っているのかいないのか

帳簿の備え付けという煩雑な手続きをいたずらに拡大するのは止めた模様です(笑)。

 

ちなみに、現在既に帳簿を作成していなければならない事業者は、下記のとおりです。

・産業廃棄物収集運搬業者
・産業廃棄物処分業者
・産業廃棄物処理施設(←第15条の対象になる規模の施設)設置事業者
・特別管理産業廃棄物排出事業者

上記の4つにあてはまりながら、帳簿なんて書いたことが無いという企業の方は、いますぐ帳簿の備え付けを始めてください!

 

今回の改正では、「焼却施設」がキーワードとして現れることが多いため、環境省は、(廃案にはなりましたが)「地球温暖化対策基本法」の復活を意図し、廃棄物処理法にも布石を打ったのかもしれませんね。

 

最後に、帳簿に記載すべき内容を記しておきます。

上記の「1」の事業者の場合は、処分する産業廃棄物の種類ごとに、

『運搬』:産業廃棄物が発生した事業場、運搬年月日、運搬方法、運搬先ごとの運搬量、(積替え・保管を行う場合は)積替え・保管の場所ごとの搬出量
『処分』:産業廃棄物の処分を行った場所、処分年月日、処分方法ごとの処分量、処分後の廃棄物の持出先ごとの持出量

上記の「2」の事業者の場合は、焼却する産業廃棄物の種類ごとに、
『処分』:処分年月日、処分方法ごとの処分量、処分後の廃棄物の持出先ごとの持出量

となっています。