- 近藤 壯一郎
- 台所計画工房 キッチンスペシャリスト
- 神奈川県
- リフォームコーディネーター
最近、巷ではローコスト(激安)のキッチンがずいぶんと話題になっている(?)ようですね。
いわゆる、I型2550前後のシンク・水栓・コンロ・フードがセットされた、オールインワンタイプで限定仕様のシステムキッチンなのですが、何とそれらが20万円を切る価格で販売されているのです。
現在このジャンルに積極的に参入しているのは、ニトリ、リフォームのナカヤマ、サンワカンパニー、そしてIKEAなどですが、その他にも、国内有名システムキッチンメーカーの同じような仕様のキッチンがインターネット上のショッピングサイトで6割引とかで販売されているのを見ると、なんだか悲しくなってしまいます。
確かに、価格が安いのは魅力なのかもしれませんが、そこには部材やパーツの品質や仕様や耐久性はどうなの?という問題や、メーカー製のキッチンが6割引になる構造ってどういうこと?という疑問が生じます。
「商品」としてのシステムキッチンは工業製品なので大量生産され、コストも下げられるでしょう。中国などの工場で作らせればなおさらです。
なんだか「牛丼」の安売り競争みたいですね。
本来、私が思うに、「キッチン」というのはそれぞれの家庭ですべて違っていて当然ですから、仕様が限定されたオールインワンタイプのキッチンセット(システムキッチン)ではそれを満足させることはできません。
ではどうすれば?ということになると、今度は「オーダーキッチン」がでてきますが、そうなると価格が高い。
どうも日本のキッチン事情はユーザーにとってぜんぜん優しくない(ユーザーフレンドリーではない)と言わざるを得ないようです。
それは、日本では、すべての「キッチンメーカー」(オーダーキッチン会社も含む)がオールインワンタイプのキッチンセットを「システムキッチン」と称して販売していて、キッチンがほしいユーザーを自社で囲い込もうとしているからではないでしょうか。
そこへいくと、欧米(特に北米)にはそもそも「キッチンメーカー」という業態が存在せず、オールインワンタイプのキッチンセット(日本で言うシステムキッチン)を製造・販売しているところはどこにもありません。
あるのは、「キャビネットメーカー」、「カウンタートップ加工業者」、「シンクメーカー」、「水栓金具メーカー」、「ビルトイン機器メーカー」、「(キャビネットやカウンタートップ用の)素材メーカー」、「アクセサリー(取っ手や装飾部材)メーカー」などなどで、それぞれの部材に高級品から低価格品までラインアップされているのです。
つまり、ユーザーは自分の要望や予算に合わせて、自由に自分だけのオリジナルプランのキッチンを、キッチン作りのプロ(キッチンデザイナーや地域のキッチンショップなど)に頼んで作ってもらうことができるというわけです。
うらやましいと思いませんか?
画像は私が最近デザインしたテラスハウスのキッチンです。もちろん、部材はすべて自由に選べますよ!
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