『家電設計,国内外共通にコスト引き下げ新興国狙う に関する考察

皆様、

こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー　山本　雅暁です。

８月１５日付の日経新聞に、『家電設計、国内外共通に　コスト引き下げ新興国狙う』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この事について考えを述べます。
ついに来るべき事が来たな、と言うのが感想です。

主な内容は、以下の通りです。

『家電大手は国内外で販売する製品の開発・製造コストを引き下げるため基本設計の共通化に乗り出す。

パナソニックは９月に世界で同時発売する空気清浄機に共通の部材を採用、価格を約３割下げる。
三菱電機は冷蔵庫、東芝は洗濯機で設計の共通化に着手した。各社は海外売上高の拡大を目指しており、けん引役となる新興国でのコスト競争力を高める。国内の家電製品の値下がりにもつながりそうだ。

◆家電各社の海外事業拡大の取り組み

主な取り組み 　　　　　売上高の海外比率の目標
　　　　　　　　　(連結ベース、カッコ内は09年度)

・パナソニック 　　　　　12年度に55％(48％)
普及価格帯の
白物家電を拡充。
インド向け液晶
テレビをアジア
共通モデルに 　　　　　　

・三菱電機 　　　　　　　中期的に40％(33％)
省エネエアコン
を全世界で拡充。
国内機種の技術
を活用
　　　　　　　　　　　
・東　芝　　　　　　　　 12年度に63％(55％)
12年度に約40モ
デルの冷蔵庫、
洗濯機を投入 

・日立製作所 　　　　　　12年度に50％超(41％)
中国で省エネエ
アコン事業の強化。
ブラジルで家庭用
エアコンの現地生
産開始 

家電各社は新興国市場で各地のニーズに応じ冷蔵庫や洗濯機などを個別に開発してきた。しかし、地域ごとに一から開発すると費用がかさみ価格競争力を高められない。このため基本設計を共通化、地域対応は仕様変更にとどめてコストを下げる手法に転換する。

サムスン電子やＬＧ電子など韓国勢は基本的な設計を世界共通にして、地域ごとに仕様を変更する手法を早くから採用。価格競争で先行し、新興国でのシェアを伸ばしてきた。。。』

パソコンなどの電子機器では、電子機器の受託製造サービス（EMS)の活用により既に設計の共通化が進んでいます。この動きが白物家電に広がってきた事を示しています。

セットメーカーの立場から考えると、今後、新興国で韓国や台湾勢と競争して勝ち残っていくには、コスト競争力の確保が必要であり、当然の選択肢です。
設計の共通化により、開発期間の短縮と部品のまとめ購買によりコストが削減できます。

この動きが今後加速してきます。

製造コストが安ければ、セットメーカーは自社工場で作るよりも、EMSのような受託製造サービスを活用する可能性が高まります。

生産拠点は、ますます海外に移行する事になります。

この状況下、中小企業は、国内市場だけを見ないで、海外市場への売り込みなどを真剣に考え、実行する必要があります。

良い技術・部品・製品を持っていれば、必ず世界で通用します。
売り方や出荷は、色々工夫すれば、海外に生産拠点を移さなくても可能になります。

他社との連携（アライアンス）も一つの方法です。

私も、アライアンスを活用して、複数の中小企業の海外展開の支援を行っています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー　山本　雅暁