- 鈴木 誠一郎
- コーチングマネジメント実践会
- ビジネスコーチ
対象:対象者別研修
- 松本 耕二
- (研修講師)
- 松本 耕二
- (研修講師)
ここ数年、管理職層に対してコーチング研修を実施される企業様が大変多くなっています。
理由としては、従来の指示命令型マネジメントが時代にそぐわなくなってきたという実感を
企業側として認識を深めたということがあると思います。
管理職の多くは高度成長時代にバリバリの若手営業マンとして貢献されてこられた方だと思います。
日本経済とともに企業が成長する中で、ひとつの到達点である平成バブルに達し、
弾け、その後の長い低迷時代を迎えることとなりました。
わずか数十年の間に企業を取り巻く環境が激変したのです。
従って、職場におけるマネジメントも当然に変化を余儀なくされているわけです。
指示命令型マネジメントが最も効率的に機能したのは高度成長期でした。
管理職は過去の成功体験をそのまま踏襲し、部下を動かせば動かすほど商品は面白いように売れていったのです。
しかし、やがて市場が成熟期に達し、巷には「モノ」が溢れる時代になりました。
経済成長が鈍化し「モノ」が豊富な時代では、他社とちょっと違った工夫や感覚を付加しなければ、
消費者に振り向いてもらえなくなります。同じような商品は目の前にあるからです。
他社商品といいかたちで差別化するには、今の時代で育ち、今の時代感覚を吸収してきた若手社員の
創造性や感覚が強力な武器になります。オヤジ管理職の感覚は古いのです。これは仕方ありません。
若手社員から自由な発想や創造性を十分に発揮してもらうには、ガミガミ言ったり、
自分の意見を押し付けたりしたのではうまくありません。萎縮させてしまうからです。
自由にものが言えるような雰囲気、職場全体が何を言っても受け入れてくれる雰囲気が求められるのです。
指示命令型マネジメントのもとでは、部下が上からの指示を受けてから行動するという
指示待ち社員に、いつの間にか育ってしまいます。
現在のようなIT技術が進展した中では管理職も未知の世界を経験しています。
的確な指示などわかるはずがありません。若手社員の発想力や感覚力を動員してくることがカギとなります。
指示命令型マネジメントのもとで外的コントロールを駆使されて育てられてきたオヤジ管理職には、
すぐには理解できないかもしれません。
しかし職場を活性化し企業を成長路線に再び乗せていくには、一度立ち止まって考えることが求められているのです。
一般的に「頭が切れて仕事ができる」上司は、若い頃に素晴らしい実績があるものです。
会社からの表彰経験もある方も数多くいらっしゃいます。
しかし、このような仕事ができる上司はその自信から部下を先導し引っ張っていくというスタイルを取りやすいものです。
部下の行動も荒く見えてしまい細かいところまで口出しをしてしまいがちです。
自分の見かたや考え方を部下に対しても無意識に強要してしまうことがありがちなものです。
このような上司のもとでは、部下の経験が未熟な場合には十分に機能します。
しかし部下が中堅以上であると、逆に部下のモチベーションを下げてしまいます。
部下は指示待ち社員化してしまい、成長機会もスポイルしてしまうことになります。
上司は、一生懸命に努力するあまり、そのことに気がつかないという場合も多いのです。
上司はなぜ思うように部下は動かないんだ、とさらに指示を出していきます。
結果、その職場全体の人間関係のストレスレベルは上がってしまいます。
やがて上司自身も部下とうまくコミュニケーションができない、
何となく自分が浮いているように感じる、という状況に進展してしまうこともあります。
どの企業もなんとかして他社商品と差別化し、消費者にアピールできる商品をと、
開発にしのぎを削っている中で、このような職場であれば早晩市場から淘汰されていくのは明らかと言えるでしょう。
今日、インターネット環境の中では日本国内のみならず世界中の企業が競争している時代になっています。
そうした環境のなかにあって、管理職が自らのリーダーシップのあり方を振り返り、
時代に適応した方法に気づいていくことがまず求められていると言えそうです。
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