取締役の義務と責任について その8 - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

廣畑 信二
HSコンサルティング行政書士事務所 代表
大阪府
行政書士

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村田 英幸
村田 英幸
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閲覧数順 2016年12月07日更新

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取締役の義務と責任について その8

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企業法務 取締役の義務と責任について

 【今回の事例】

 ◎◎株式会社の創業者であるA社長は、

 
 年齢が70歳になったのを機に経営の第一線から退き、相談役となった。
 
 
 そして、その後任社長には、A氏の息子であるB氏がなりました。
 
 
 株のほとんどは創業者であるA氏が所有していたが、
 
 実質的な経営に関しては、息子であるB氏と
 
 X氏・Y氏・Z氏の3人の取締役に任せることにしたのである。
 
 
 典型的なワンマン社長であったA氏は、
 
 「鬼のA」というあだ名で恐れられ、息子であるB氏でさえも、
 
 A氏の決定には逆らうことはほとんどありませんでした。
 
 
 そんなA氏が経営から退くことになったのだから、B氏は大喜びある。
 
 「やっと、自分の思ったとおりの経営が出来る!」と。
 
 
 しかし、
 
 A氏が経営を退いた途端に経営は悪化の一途を辿ることになる。
 
 
 A氏から、
 
 「会社経営はうまくいっているか?」と尋ねられることがあったが、
 
 経営悪化のことを知られると父の逆鱗に触れると思ったB氏は、
 
 「経営はうまくいっている」と嘘をつきとおした。
 
 
 そして、とうとう決算期を迎えることになった。
 
 
 今まで連続黒字決算を誇っていた会社が、
 
 今期は、とうとう赤字決算へと陥ってしまったのである。
 
 
 そこで社長であるB氏は、役員会で次のような提案をした。
 
 
 「今期は利益が出ていないが、利益はあったことにして、
 
 1株10円の配当をしよう!」と、総額300万円の配当を提案したのです。
 
 
 B氏は、ほとんどの株を所有しているA氏に対して株の配当をすれば、
 
 経営悪化をA氏に知られることはないと思ったのである。
 
 
 X氏とY氏は、B氏と同じように、
 
 経営悪化がA氏に知られてしまうことを恐れ、
 
 B氏の提案に賛成しました。
 
 
 Z氏だけは、この配当に対して、けっして賛成ではありませんでした。
 
 
 ただ、B氏の気持ちも分からないでもなく、
 
 結局は、役員会で異議を唱えることまではしませんでした。
 
 
 【事例はここまで】
 
 
 上記は、「違法配当」の事例になります。
 
 
 会社法では、利益が出ていないのに配当を行うことを禁止しています。
 
 
 違法配当をした場合は、
 
 次の者が会社に対して弁済責任を負うことになります。
 
 
 ■株主総会決議による違法配当の場合
 
 取締役全員が、連帯して弁済責任を負う。
 
 
 
 ■取締役会決議による違法配当の場合
 
 決議に賛成した取締役及び
 
 異議を申し出たことが議事録に記載されていない取締役が、
 
 連帯して弁済責任を負う。
 
 
 つまり、上記のような事例の場合、
 
 B氏・X氏・Y氏・Z氏の4名が連帯して、
 
 300万円を会社に弁済しなければならないことになります。
 
 
 なぜ違法配当に賛成しなかったZ氏まで責任を負わされるかというと、
 
 「決議に参加した取締役のうち、
 
 異議を申し出たことが議事録に記載されていない取締役は、
 
 その決議に賛成したものと推定する。」ということが
 
 会社法の規定として定められているからであります。

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