会社には社員を評価するための仕組みがある。
人々は「評価の容易性や正確性や公平性」をその仕組みに求める。
しかし、多くの人はその仕組みに満足していない。
書店には部下を評価する人向けの本が売られている。
人々は「評価に必要な理論やノウハウ」をその本に求める。
しかし、多くの人はその理論やノウハウを自分のものにできずにいる。
世の中には社員を評価する力を高めるための様々な研修やセミナーがある。
人々は「本では得ることのできない体験や秘訣」をその研修に求める。
しかし、多くの人は研修の場では分かったつもりになるが、職場に戻るとその通りにできないでいる。
私は評価制度を作りなおした会社も知っているし、本を読んで評価理論やスキルを学んだ人も知っているし、評価力を高めるための研修を受けた人も知っている。
たくさん、たくさん知っている。
それをふまえた正直な感想を言おう。
「これではその会社が目指している/本を読んだ人が目指している/研修を受けた人が目指している、評価を行うことは難しい」
なぜか?
評価する人自身に「価値を判断する力」が乏しいからだ。
この「価値を判断する力」は理論やノウハウでどうにかなるものではなく、しごく全人格的なものである。
人が人を評価するためには、巷にあふれる手練手管を追っても無駄である。
なぜなら、これらの手管は「ものごとの価値を判断できる人」が使ってはじめてその用を成すからである。
ものごとの価値を自分で定めることができない人に人間なるものの評価などできるはずなどない。
自分が定めたその価値を意味あるものか否か判断できない人に人間なるものの評価などできるはずなどない。
人事評価の本質は「全人格を賭して行う『価値判断』」にあるからである。
(中沢努「思考のための習作」から抜粋)
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