金大中韓国元大統領ご逝去 - コラム - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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閲覧数順 2024年04月25日更新

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金大中韓国元大統領ご逝去

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巨星墜つ。
韓国の民主化を主導した金大中元大統領が今日、ご逝去された。
18日14時3分時事通信社記事はこう報じた。

韓国の民主化を主導し、朝鮮半島の分断後、初の南北首脳会談を実現した
金大中・元韓国大統領が18日午後1時43分、多臓器不全により死去した。
85歳だった。
入院先の病院が明らかにした。
退任後も一定の影響力を保持し、海外にも講演に訪れるなど積極的に
活動していたが、7月13日に肺炎で入院。
同16日から人工呼吸器を装着し、治療を受けていた。
韓国における民主主義定着への貢献や北朝鮮との関係改善を進めた
金元大統領の実績は左派勢力からは高く評価される。
しかし、保守層からは「北朝鮮への融和政策が同国の独裁体制を助けた」
との批判を受け続けた。
金元大統領は1950年代から故郷の南西部・全羅南道を地盤として
政治活動を開始。
軍事政権と対決し、73年に日本で拉致されるなど激しい弾圧を受けながらも、
民主化を訴えた。
87年の大統領選の直接投票制導入を経て、4度目の挑戦となった97年の
選挙で勝利。
98年の大統領就任後は北朝鮮に対する融和的な「太陽政策」を推進し、
2000年に北朝鮮の金正日労働党総書記と初めて会談。
これが評価され、この年のノーベル平和賞を受賞した。
また、韓国を襲ったアジア通貨危機を克服。
「未来志向的な関係発展」をうたう日韓共同宣言に小渕恵三首相(当時)
とともに署名し、日本文化の開放政策も進めた。


金元大統領の功績については、賛否両論があるようであるが、韓国の政界が
民主的なものに成熟できたのは、彼の功績と言ってよいのではないだろうか。
対話を重視し、常に相手を信頼する政治手法は、海千山千の政治の世界では
理想主義者と言われても仕方がないところであるが、経済政策にも精通し、
理想主義の面だけではない、現実へのリーダーシップを発揮できた指導者
だったと思う。

対話に基づく民族の融和を追及した金元大統領は、現在の対北強硬政策の
李体制をどう見ていたのだろうか。

ところで、わが国は政権交代の是否を問う総選挙に突入したばかりだ。

金元大統領の政治手法は鳩山氏の理想主義に対するいい手本の一人になると
私は勝手に考えていたところたっだだけに、このタイミングでの死去は
実に残念です。
これからの国際社会はその主導権をアジアが握る可能性が出てきていただけに、
東アジアの宥和政策を旨とする者同士の対談を見てみたかった。

波乱に満ちた85年の生涯を遂げられた金元大統領。
我らアジア人の行く末を見守っていてもらいたいものである。

合掌