河童 - コラム - 専門家プロファイル

高安 重一
有限会社アーキテクチャー・ラボ 代表取締役
東京都
建築家

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河童

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「河童」(芥川龍之介)を読んだ。
河童の国に迷い込んだ主人公が河童の国での出来事を綴っている話。
大正末期に書かれているようで、検閲や失業などについて河童の国のケースを書いている。
社会問題全般を扱って風刺が効いていて毒があり、筒井康隆のようにも思える。
芥川龍之介は沢山のスタイルを試しているので、これをSFと括っても良いと思う。

河童は子供を産むときに、お腹の子供に生まれたいかを聞くというくだりがあって、
「こんな世の中じゃいやだ」とか、
「精神病の遺伝子を持っているかもしれないから生まれたくない」とか言っている。
芥川も母親が発狂し、自分に精神病の気が移ってるのではと疑っていたようだし、
この5ヶ月後には自死するという時期なので、その影響が現れている。