「トロッコ」の結末 - コラム - 専門家プロファイル

高安 重一
有限会社アーキテクチャー・ラボ 代表取締役
東京都
建築家
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「トロッコ」の結末

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「トロッコ」(芥川龍之介)を読む。
子供の頃の教科書に出ているので、よく覚えている。
子供心に芥川龍之介が教科書に出ているので、印象に残っているんだろう。
思い出しながら読んでいくと、最後に???。
4行ほど追加されている。

教科書では削除されている結末が実際にはあった。

子供が鉄道建設のために動いているトロッコに興味を持って土工にあこがれて、
手伝っているうちに遠くの方まで来てしまい、そこから一人で帰る羽目になって、
泣きそうになりながら必死に家に帰ると言う話だったのだけれど・・・。
その子供が大人になった結末が付け足されている。

付け足されているのではなくて、教科書の方が削除していたわけ。
たしかに芥川龍之介が子供向けの小説を書いていると言うことに、ちょっと違和感を感じていた。
あまりにも子供向けで、単純と思っていた。
確かに「蜘蛛の糸」など子供向けに書いた小説もあるけど、
「トロッコ」のシンプルすぎるところには子供ながらに「これだけ??」って感覚があった。

いま改めて読んだから、削除部分を知ったけど、だんだんとなんか馬鹿にされた気分になってくる。
たしかに最後は大人になってからの話で、子供の頃の部分で充分、子供のその時の気持ちは伝わってくる。
教科書だから問題文に「その時子供はどう思ったか?」とか設問があった。

でも、いま残りを読んで本当に良かった。全然子供向けの話じゃないでしょ!
子供だって、そのくらい分かりますよ。たった4行だけど、削除するのはいかがなもんでしょうね。
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