ステンドグラス伝来
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2006-04-12 14:05
歴史を紐解きながら、私の趣味でもある古いステンドグラスも紹介します。
日本でのステンドグラスの歴史というのは、明治19年まで遡ります。
明治史上もっとも華やかであった鹿鳴館時代、
明治政府は、来るべき国会開設に備えて、帝国議会議院建築(国会議事堂)をはじめ、
洋風の中央官庁街を日比谷の地に自国力で建設するために臨時建築局を設け、
欧米技術習得のために、ペンキ、大工、鍵、煉瓦、装飾、コンクリートなど、総勢20名をドイツへ派遣しました。
当時、日本になかった技術の1つがステンドグラス。
工業學校(現東京工大)の第一期卒業生の中から宇野澤辰雄が選ばれました。
3年後、宇野澤辰雄は帰国、明治25年に今の浜松町駅付近に
日本で最初のステンドグラス工房を創立しました。
この場所は、昨年末、汐留地区再開発工事により、更地になってしまいました。
→日本のステンドグラスの歴史
今から116年前に国会議事堂建設のために導入されたステンドグラス技術。
史料に残る一番最初の国産ステンドグラスは、明治27年の司法省(Jコンドル設計)です。
建物は現存し重要文化財となっていますが、資料不足のせいか、ステンドグラスは復元されませんでした。
それから40年後、私の祖父が宇野澤工場に入所し国会議事堂のステンドグラス製作に携わり、
さらに76年たった現在修復として、親子3代で国会議事堂に携さわることができているのは幸せなことです。