どうしても信じられなかった その2 - コラム - 専門家プロファイル

須永豪・サバイバルデザイン 
長野県
建築家
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どうしても信じられなかった その2

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とっさに・・・体は動けなかった。
一瞬おいて、僕より5mほど前にいた他の男性が駆けつけ、
電車が停車するまでのあいだ、その酔っぱらいがモゾモゾ動かぬようにしっかり抱えたおかげで、
何事もなく停車し、(きっと車掌は全然見ていなかったのだろう)普通に発車した。
この出来事に僕はショックを受けた。
いくらなんでも、こんなにも愚かな酔っぱらいがいるのかと信じられなかったし、
予想もできなことを目にして唖然としてしまい、とっさに対応できない自分にもショックだった。
ひとつだけ自己弁護させてもらうと、酔っぱらいとの距離がもっと近ければ
考える前に反射的に行動できていただろう。という気はする。
それにしても、
ホームギリギリのところで脱力してグナグナしている人間を目にしながらも、
アタマでは「・・・いくらなんでも」と、常識の範囲内で自分を納得させようという
思考回路が働いてるのには驚いた。
『基本的に安全』な社会に産まれ育ち、人間としての思慮が深くなり、
その結果、やはり危機意識というのは鈍くなっているようだ。
僕がとっさに動けなかったのは、怖かったわけではない。
自分の目の前で起きている危険を、
どうしても信じられなかったのだ。
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須永豪・サバイバルデザイン 

人間らしい「サバイバル」ってなんだろう?

安心して寄り掛かれるおおきな木のような存在感と、ジャングルジムのような自由さと、楽器のような豊かな響きがある空間。そういうものを、木でつくりたい。