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対象:人材育成

中沢 努
中沢 努
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閲覧数順 2016年12月10日更新

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せいさつ(035)報酬額の妥当性を支える客観性は幻想である

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せいさつ 040~031


社長や役員の報酬額が高いか安いかという議論があります。

「業績に連動させた金額だ」だとか「報酬データを踏まえ相場を勘案した額だ」などと言われると何となく客観性や合理性があるように聞こえ、「よく分からない」ながらもそれを否定するさしたる根拠も見つからないので何となく「そういうものか」と思うのがオチではないか。

社長や役員の報酬額がなぜその金額なのか?
1.「業績に連動させた金額」だからといって、それが妥当性の理由になるか?
2.「世間相場から大きく離れていない金額だから」といって、それが高くないという理由になるか?
答えは、どちらも理由にはなりません

1.は「業績に連動させて出した金額だから、鉛筆なめなめのように金額を決めた本人以外はその理由がさっぱりわからないという状態ではない」というだけ。
2.は「世の中の社長や役員がもらっている報酬額と似たり寄ったりです」といっているだけで、どちらもそれ以上のことはいっていない。

だいたい、業績に連動させる「係数」を決めたのも、報酬データをみて「これくらいにしよう」と決めたのも、その金額を支給した会社そのものです。
そして、その会社の中でそう決まったのは、そう決めた人/人たちがそう決めたのです。

そう、支給される報酬金額にあるのは「客観」でなく、「主観」なのです。

私は役員報酬を業績に連動させたり、世間相場を勘案しながら決めることを否定しているのではありません。
それは現実的な決め方の一つです。
堂々とその現実的な決め方で決めればいい。

だた、主張する側は「世の中一般に『客観的』とされているもの」を利用して「主観」で決めたことを「さも客観的であるがごとく示す」ことで説明を済ますべきではなく、それを聞く側は「世の中一般に『客観的』とされているもの」に基づいて「主観」により決められたことを「さも客観的であるがごとく示された」からといってそれを鵜呑みにすべきではない。

報酬額など所詮「主観」と「割り切り」でしか決められないものです。

報酬額に妥当性を求めるのであれば、この当たり前のことをありのままに捉え、ありのままに理解しなければなりません。

(中沢努「思考のための習作」から抜粋)

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