中国特許権侵害訴訟の傾向と分析(第7回) - 特許 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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中国特許権侵害訴訟の傾向と分析(第7回)

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中国特許権侵害訴訟の傾向と分析

〜中国企業に狙われる外国企業〜(第7回) 
河野特許事務所 2010年6月25日 河野 英仁


3. 発明特許侵害訴訟の分析(1) 武漢晶源対日本富士化水事件(10)
(1)専利95119389.9 号の内容
 中国企業である武漢晶源環境工程有限公司(以下,原告という)は,発明専利号第95119389.9 号(以下,389 特許という)を所有している。389 特許は曝気法海水煙気脱硫方法及び曝気装置を権利化している。図9 は曝気装置の概要を示す説明図である。

図9 曝気装置の概要を示す説明図

 火力発電所等の燃焼設備においては二酸化硫黄(SO2)等の酸性物質を環境中に排出せざるを得ないという問題があった。排出された酸性物質は酸性雨の問題を引き起こすことから,SO2 の排出を低減しなけ
ればならない。
 従来このような問題を解消するためにはSO2 吸収剤を用いていたが,コスト増加を招来し,その上副産
物の発生により環境に悪影響を与えるという問題もあった。
 原告発明者は,火力発電所等の沿岸地区の工業装置に対し,海水資源を利用して低コストで効率良く脱硫を行い,かつ,汚染の問題を引き起こさない曝気法による脱硫方法を発明した。
 図9 を参照し,発明の概要を説明する。ここで,「曝気」とは水を空気にさらし,液体に空気を供給する行
為をいう。海水ポンプ1 により海水が取り込まれる。海水は洗浄塔3 に注入される。なお,2 は煙突,5 は
燃焼装置,4 は塵除去器である。洗浄塔3 に注入される海水により,煙及び水蒸気中のSO2 が洗浄される。洗浄塔3 から排出されるSO2 を吸収した酸性海水は進入口7 を介して曝気池6 の混合区6’へ導入される。
 海水ポンプ1 から注入される水は注入口8 を介して混合区6’へ流れ込む。SO2 を吸収した酸性海水と
SO2 未吸収の海水とが混合区6’にて混ぜられる。
 混合区6’の下流側には,壁を介して曝気区6”が形成されている。混ぜ合わされたSO2 を吸収した酸性海水とSO2 未吸収の海水とは曝気区6”へ流れ込む。曝気区6”には櫛状の曝気通道9 が下方に向けて垂設されている。
 送風機11 から送り込まれる空気は曝気通道9 を経て曝気区6”へ送られる。曝気区6”に空気が送り込まれ混合海水に対する曝気が行われる。ここで,空気と混合後の海水との比率は,空気が0.1 ~ 1.5,海水が1 である。また,曝気時間は2 分間~ 20 分間である。曝気により脱硫された海水は海水排出口10 を介して海に排出される。  

(第8回に続く)  

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