場所は深江浜付近だったと記憶している。だがどうも風景が違って見える。100m程走って自分でもびっくりするほどの声を上げてしまった。
目をこらしてじっと闇の中を見ていると高速道路が横倒しになっている。柱脚がことごとくなぎ倒されている。どうもこうも表現しようの無い眺めだった。普通に高速道路の下を走っているときは、見慣れているけど倒れた道路の巨大なこと。
以前、空母瑞鶴の最後を目の前で見た大工の棟梁の話を思い出していた。「航空母艦が転覆したら丁度こんな風景かな」なんて一人でつぶやいて爽快感ともヤケクソとも言いようの無い感情が込み上げてきた。
後日コンクリートの中から空き缶や木切れが出てきて問題になったがそんな話は枝葉の問題だ。建設当時の設計基準が甘くそれを改善せずに放置した事こそ問題にされるべきだ。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
06-6714-6693
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