- 岩崎 治之
- いわさき痛みの整骨院 院長
- 東京都
- 柔道整復師
-
042-529-5123
対象:体の不調・各部の痛み
- 奈良 修次
- (鍼灸師 臨床検査技師)
本日より「痛みの診断と治療」シリーズやレーザー治療の適応症などを解説していきます。
まず第1回目は「外傷性頸部症候群」です。
外傷性頸部症候群はコンタクトスポーツや日常生活上のアクシデントでも発生いたしますが、交通事故による外傷性頸部症候群は「むちうち症」の呼び名で一般的に知られています。
最近ではマスコミによるむちうち症による後遺症や難治性のものに脊髄液が脳脊髄液腔から漏出することで減少する「脳脊髄液減少症」が疑わしいかのごとく特集番組で放映され、その反響で数少ない専門病院がいまだ混雑している模様とか・・・
しかし専門家によればほとんどが精査等で陰性ということ、陽性者の多くは「視覚障害」「耳鳴り」などの主訴があり外傷性頸部症候群の自覚症状でバレリュー症候群の愁訴と重なる部分も確かにあります。
この場合は交感神経が刺激されることにより生じるといわれています。
さて、ペインクリニックを訪れる外傷性頸部症候群はほとんどが慢性期になっており、すでに整形外科医院での治療や接骨院などで施術を受けた例が多いのが現状でおのずと難治例や慢性例が集まりやすい。
その背景には疾病利得や賠償問題のこじれからくる心因性要素がからむほか、加害者サイドが損保会社まかせで被害者に対し誠意がないことにより、より被害者意識が過剰となって潜在意識の部分で「治りたくない」「治ってたまるか」という怒り・憎しみなど情動的な部分で疼痛を長引かせています。
また必要以上に被害者の周囲での「ムチ打ち」に対し恐怖・不安をあおる言動や認識の不足から生じる医療機関への誘導幇助である。そして医療サイドではカラー固定期間を長期化させることで頸部筋の筋力低下を招き、二次的要因を作り出しています。
しかし一番問題なのは、いずれにしても長期化することで勤労意欲も徐々になくなり、場合によってはQOL(生活の質)低下して抑うつ状態に陥りやすいことのほうが、経済的損失が大きいと言わざるを得ないのです。
最後に外傷性頸部症候群の症状の特徴は後頭部・頸部から背部にかけてのこり(慢性痛の正体 頑固なコリの真犯人トリガーポイント)があり、頸・肩・上肢の広範な痛み、緊張型頭痛や片頭痛と似た症候やしびれ、倦怠感、全身の冷え、熱感、不眠、集中力低下など多彩な不定愁訴です。
いわゆる心身ストレスによる自律神経系の亢進症状と他覚所見として頸椎可動性制限と圧痛、知覚障害などが認められます。
わたしの願いは「新型うつ病」「パニック障害」「仮面うつ病」などがいま社会問題となっているが年間140万ともいわれる交通事故での患者を救済する専門外来や早期社会復帰をめざすカウンセリングを中心としたプログラムまたはシステム構築を国が取り組むことを期待してやみません。
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このコラムの執筆専門家
- 岩崎 治之
- (東京都 / 柔道整復師)
- いわさき痛みの整骨院 院長
痛みとストレスをテーマに心と身体にやさしい治療をめざします
わたしは物理工学の分野である「波長」や「周波数」「共鳴振動」を治療技術に応用し、複合ストレス=「氣」の停滞が原因とされる未病(微小循環障害または末梢血行障害)に対してQOLを重視した全人的かつ人間主義の統合的治療を展開しています。
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